【公募増資・売出(PO)は買いか?】バルニバービ(3418)

公募増資・売出(PO)

こんにちは!

公募増資・売出(以下、PO)の実施を発表した銘柄に関して、POに応募して買った場合、利益を得ることができるのか?直近の経営状況や客観的な指標、株価モメンタム等を踏まえ、総合的に分析しました。

今回は、東証グロースから小売業種のバルニバービです。

最後までお付き合いいただけるとうれしいです!

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  • 公募増資・売出(PO)とは?
既上場企業が新たに発行する株式(公募株式)や既に発行された株式(売出株式)を投資家に取得させることをいいます。
正確には、「PO」は「Public(公開の)Offering(売り物)」の略で、日本語では「公募」と呼ばれます。「公募」とは、「不特定かつ多数の投資家に対し、新たに発行される有価証券の取得の申込を勧誘すること」をいいます。
また、「売出」とは、「既に発行された有価証券の売付けの申込み又はその買付けの申込の勧誘のうち、均一の条件で50人以上の者を相手方として行う」ことをいい、通常は「公募」「売出」を合わせて「PO」と呼ばれます。
「新規公開株(IPO)」は未上場企業が直接金融市場からの資金調達や知名度・信用力の向上を目的として証券取引所に新規上場するために一般投資家に株式を取得してもらう行為であるのに対して、「公募・売出(PO)」は既に上場していて証券取引所での株式取引が行われている企業が追加の資金調達や大株主の保有株売却などを目的として一般投資家に株式を取得してもらう行為であり、「新規公開株(IPO)」と「公募・売出(PO)」の違いを簡単にいえば、実施する企業が「未上場」か「既上場」かの違いといえます。

POの概要

まとめ

今回のPOは、公募と第三者割当による増資です。発行価格等決定日や受渡期日、発行数量等は表1のようになっています。

ディスカウント率は、「発行価格等決定日」に決まり、その日の終値から数%です。

ちなみに、直近の主なPOのディスカウント率は、JR西日本(9021) 3.01%、ゆうちょ銀行(6178) 2.08%、デンソー(3387) 3.02%となっており、ほぼほぼ2~5%程度です。

ただ、ディスカウント率が大きいPOもあり、直近ではENECHANGE(4169)の8.1%が最大です。

注意点として、どの証券会社でも購入できるわけでなく、主幹事(今回はSMBC日興証券)はじめ、引受人の証券会社で購入申込可能です。

早ければ、10/16(水)の夕刻に、会社側から発行価格等のお知らせが適時開示であります。

このブログ記事も更新しますので、チェックしてくださいね💖

発行価格等決定日2024 年 10 月 16 日(水)
受渡期日
(POで買った場合はこの日から売却可能)
2024 年 10 月 23 日(水)
①公募による新株式の発行
一般募集
数量
普通株式 1,783,000
発行済み普通株式数(自己株式を除く)8,856,475  の約20.1%
②株式の売出し
(オーバーアロットメントによる売出し)
数量
普通株式 267,000 実施決定(10/16)
SMBC日興証券が売出す。
③第三者割当による新株式発行
数量
普通株式 267,000 株
(申込みのなかった株数は発行されない。)
SMBC日興証券に割当。
調達資金手取り概算額(上限)23.2 億円
発行価格1,249 円
(10/16決定:終値 1,302 円)
ディスカウント率4.07 %
(10/16決定)
申込単位数量100 株
主幹事SMBC日興証券
表1:バルニバービ(3418) PO概要

【資金調達の背景と目的】

  • 同社グループはレストラン事業とエステートビルドアップ事業(EB事業)を融合させ、レストランを中心としつつ、レストラン以外の複合的な店舗や機能を一体的に開発することでエリアの価値を高めていくイノベーティブシナジー戦略を基本戦略としている。
    同社が考えるエリア開発において食が持つ力は必要不可欠であり、レストラン事業におけるエリア開発、デザイン、オペレーションの力と、エステートビルドアップ事業が融合することによって、新たなシナジーが生まれ、開発エリアの不動産価値を高める事に繋がると考えている。
  • また、2024 年9月 13 日には、これまでの過程で得たノウハウをベースに昨年策定した「イノベーティブシナジー 2028」をローリングし、2029 年7月期を最終年度とする中期経営計画「イノベーティブシナジー 2029」を策定した。
    イノベーティブシナジー戦略の推進を基本戦略として、出店・開発スピードを大幅に引き上げ
    レストランについては立地を厳選して大型店を中心に毎年6~8店舗の出店を、エステービルドアップ事業については新規エリアで3カ所開業既存エリアで2カ所の追加開発することを見込んで計画を策定した。
  • レストラン事業において出店の引き合いが非常に活発化していることから、「イノベーティブシナジー 2029」ではレストラン事業における新規出店による売上拡大を大きく見込んでいる。
  • 今般の新株式発行による調達資金は、レストラン事業における新規出店の引き合いが非常に活発化している中、利益の積上げ見込みの高い都市部を中心としたレストラン事業の新規出店に伴う設備投資関連費用に充当する予定。
  • また、レストラン及びレストラン以外の複合的な店舗や機能も一体的に開発し、同社所有の不動産の売却のほか、賃貸業や管理業などの分野で収益を得るエステートビルドアップ事業に係る資金として、
    兵庫県南あわじ市で運営予定のホテルの土地・建物及び付帯設備の取得資金及び今後開発を行う新規開発エリアの土地取得資金の一部にも充当する予定であり、同地域及び近隣地域の更なるエリア価値向上並びにエリアの拡大を目指していく。
  • 本件を通じて、同社グループは事業拡大・収益性向上につながる成長資金を確保し、同社グループの企業価値向上と株主の利益の最大化を目指していく。

としています。

【調達資金の使途】

今回の一般募集及び第三者割当増資に係る手取概算額合計上限約23.2億円については、

中期経営計画「イノベーティブシナジー2029」の推進のため、

  • 2026 年7月期までに 14.0 億円
    レストラン事業における新規出店に伴う設備投資関連費用
  • 2026 年7月期までに 9.2 億円
    エステートビルドアップ事業における兵庫県南あわじ市で運営予定のホテルの土地・建物及び付帯設備の取得資金の一部及び今後開発を行う新規開発エリアの土地取得資金の一部

として充当する予定です。

レストラン事業は、2024 年7月期は食材や光熱費の高騰により外食各社が値上げに動く中、重要なKPIとして原価率に焦点をあて店舗原価率の低下を実現しています。

また売上の増加も伴ったことでレストランの店舗利益率が大幅に上昇しており、新規出店を加速させることは今後の収益の拡大に寄与すると見込んでおり、今般の資金使途として充当することとしています。

また、エステートビルドアップ事業(EB事業)においては、淡路島「Frogs FARM ATMOSPHERE」に関わる 2023 年度の年間売上は 11 億円超となり、訪問客数は推計で年間 38 万人を超えております。

エリア活性化による周辺地価の上昇を背景に不動産の含み益が拡大しており、2024 年3月には「KAMOME SLOW HOTEL」の土地を目標価格で売却しています。

今後は南あわじの開発を加速させ、2025 年7月期から本格的なエリア開発への移行を計画しています。

また、今後、新規に開発していくエリアについて先行して土地を購入する必要があり、兵庫県南あわじ市で運営予定のホテルの土地・建物の取得資金の一部及び新規開発エリアの土地取得資金の一部として充当することとしています。

【新株式の発行数量/流動性】

また、今回の新株式の発行数量は、発行済み株式数(自己株式を除く)の最大約23.1%(第三者割当を含む)で、

直近の新株式の発行を含むPOの発行株数比率(第三者割当を含む)は、レシップホールディングス 12.1%、地主 18.5%、コロワイド 22.4%ですので、それらと比較すると多い数量です。

新株式発行は1株利益の希薄化につながりますので、この要因が短期的に株価を押し下げる可能性があります。

また、この銘柄の直近の出来高(売買が成立した株の数量)の5日平均は230百株、25日平均は154百株(10/8時点)で、流動性は低い水準です。(1日 1,000百株を平均的な水準としています。)

どんな会社?

食から始まる日本創再生」をビジョンとし、

東京一極集中ではなく、潜在的魅力を持つエリア(地方・地域)において町の未来を見据え、

かつ何より地域の従来の人々との融合できる地域コミュニティ復活をも見据えたエリア丸ごとの事業展開をしている会社です。

事業内容は、「美味しいものを、より楽しく、より健康に、より安く」をテーマに、

同社が企画開発・デザインしたレストラン・カフェ・バーなどを店舗運営子会社による飲食店や宿泊施設の運営を行う「レストラン事業」、

食をベースに総合的なエリア開発を行うことで活性化した不動産の流動化により収益を見込む「エステートビルドアップ事業」を行っています。

同社は、「レストラン事業」と「エステートビルドアップ事業」の2つのセグメントがあり、それぞれ具体的には、

  • レストラン事業
    飲食店の運営及びECサイトの運営事業
  • エステートビルドアップ事業
    地方創再生ネットワーク形成の推進事業、不動産の開発事業等

を行っています。

2024年7月期通期のセグメント別売上高構成比は、

  • レストラン事業 87.8%
  • エステートビルドアップ事業 12.2%

となっており、「レストラン事業」が9割弱を占めています。

直近の経営概況

経営状況

【2024年7月期通期(2023年8月~2024年7月)の経営成績】

(2024年9月13日発表)

決算期売上高
[億円]
(前年
同期比
増減率
[%])
営業
利益
[百万円]
(同)
経常
利益
[百万円]
(同)
親会社株主
に帰属する
純利益

[百万円]
(同)
2023年7月期
通期実績
133
(34.0)
1,161
(黒字
転換)
1,098
(△7.3)
673
(444)
2024年7月期
通期実績
134
(0.7)
647
(△44.2)
646
(△41.1)
538
(△20.1)
2025年7月期
通期会社予想
145
(8.5)
901
(39.1)
883
(36.5)
611
(13.6)
表3:バルニバービ 2024年7月期通期経営成績と2025年7月期通期会社予想

表3の通り、前期比 増収減益で、売上高は微増利益面は2~4割強減で着地しました。

今期(2025年7月期)通期の業績前期比 増収増益で、売上高は1割増利益面は1割強~4割増を予想しています。

【2024年7月期通期の状況、経営成績の要因】

当連結会計年度における外食業界は、来店客数に回復の動きがみられつつある中で景況感に回復の兆しがみられたものの、物価上昇や労働者不足などにより厳しい状況が続いています。

このような状況の中、同社グループでは、新たな成長戦略として「イノベーティブシナジー戦略」を掲げ、従来の「レストラン事業」におけるバッドロケーション戦略での出店で培ったノウハウや知見をもとに、

食をベースに総合的なエリア開発を行うことで活性化した不動産の流動化により新たな収益を見込む「エステートビルドアップ事業」を2つ目の成長戦略の柱とし、「食から始まる日本創再生」に取り組んでいます。

レストラン事業においては、ニューノーマルのライフスタイルにおける新しい外食時間として、時間の概念にとらわれず楽めるメニューの提案や空間づくりに取り組むとともに、顧客体験の向上と収益の最大化を目指し、既存店の再構築を進めています。

2023年8月に再編した店舗運営子会社を中心に、その店舗のマーケットや環境に適したきめ細やかなサービス内容の拡充や価格帯の見直し、業態変更等を含む総合的なアプローチなどにより、

顧客の潜在的なニーズに応えることで付加価値を高め市場競争力の一層の強化を図るべく、グループ一丸となって取り組みを行っています。

また定期的なメニューの見直しやサービスの改善を行うことで、顧客により満足度の高い体験を提供することを目指すことにより、多くの顧客に喜ばれる環境を整備し、成長戦略の一環として、今後のレストラン事業拡大を見据えています。

また行政・自治体からの出店要請は引き続き強いニーズがあると考えられ、出店エリアを厳選したうえで新規出店に伴う運営体制の構築に取り組んでいます。

エステートビルドアップ事業においては淡路島北西海岸を舞台に展開する食を通じた地方創再生プロジェクト「Frogs FARM ATMOSPHERE」において、

飲食店、宿泊施設の展開等、現在20施設を展開しており、地域や賛同者との協業を推進しています。

廃校をリノベーションし雇用の創出、定住人口・交流人口の増加、地元交流を目的にした「SAKIA」は、地域資源を活用した官民連携サテライトオフィス拠点整備事業に参画し、

企業や起業家のワーケーション、サテライトオフィス利用や淡路島でのビジネスやお試し移住体験に向けた中長期滞在先など、多様なニーズに応える施設として新たにワーキングスペース機能や宿泊機能等を整備し、2024年4月に開設しました。

さらに、2024年7月には新たに淡路島南岸において約900坪を占めるエリアを開発し、レストランを出店しました。

今後、島全体の周遊を促進するとともに、四国からのアクセスの良さを活かし、今後開業予定のホテルとも連携しながら淡路島に新たな観光客を呼び込む拠点としての役割を果たす方針です。

また昨年開業した島根県出雲市西海岸における観光、二拠点ライフ、移住を見据えた地方創再生プロジェクト「WINDY FARM ATMOSPHERE」は、

レストラン、宿泊施設の運営を強化すると共に、パーキングエリアを活用したアウトドアスタイルのウェディングプランの構築など様々な施策に取り組んでいます。

現在、開発エリアを拡大するための準備を実施していますが、より多様な施設やサービスを提供できるよう、自治体や地域企業と連携しながら地方創生の取り組みを推進する計画です。

当連結会計年度における同社及び連結子会社の店舗の増減は、

  • レストラン事業のバッドロケーション:3店舗クローズ
  • 不動産デベロッパー:3店舗オープン1店舗クローズ
  • 行政公共機関:2店舗オープン
  • 大学・その他:1店舗クローズ、期間限定店舗を2店舗オープン、期間限定店舗を2店舗クローズ
  • エステートビルドアップ事業:1店舗オープン1店舗クローズ

し、8店舗オープン8店舗クローズし、当連結会計年度末における同社グループの運営する店舗数は96店舗前期末比 変わらず)となっています。

これらの結果、2024年7月期の経営成績は表2の数値の前期比 増収減益となりました。

【セグメント別の業績】

セグメント別の業績は、表3の結果になりました。

主力の「レストラン事業」は前期比 増収増益 

「エステートビルドアップ事業」は減収減益となっています。

セグメント売上高
[億円]
(前期比
増減率
[%])
セグメント
利益
[百万円]
(同)
レストラン120
(10.1)
436
(688)
エステート
ビルドアップ
16.4
(△36.0)
211
(△80.9)
表3:2024年7月期通期 セグメント別業績

各セグメントの状況は以下です。

レストラン事業

店舗運営は、店舗運営子会社における各店舗の状況に合わせたきめ細かい店舗運営に取り組み、

ビアガーデンやバーベキュー、こたつテラス等季節に応じた店舗運営、営業企画やイベントの立案、ソーシャルディスタンスを保った安心安全なテラスの活用や、顧客満足度の向上と収益性を安定させる取り組みを実施しました。

エステートビルドアップ事業

食をベースとした地方創再生プロジェクトとして兵庫県淡路島北西海岸「Frogs FARM ATMOSPHERE」を筆頭に、島根県出雲市西海岸「WINDY FARM ATMOSPHERE」に取り組むことで、地方創生ネットワークの形成を推進しています。

兵庫県淡路市においては、2024年3月に「KAMOME SLOW HOTEL Doggy」をオープン

2024年4月には「KAMOME SLOW HOTEL BEACHD」、「Frogs FARM DOG RUN」をオープン

地域資源を活用したデジタル田園都市国家構想交付金「地方創生テレワーク型」事業を淡路市と連携・活用したサテライトオフィス拠点「SAKIA STAY」をオープンしています。

兵庫県南あわじ市は、2024年7月に「トラットリア アマランチャ」をオープンしています。

島根県出雲市は、2024年5月に「出雲クリフエンド アイスクリーム」をクローズしています。

また、2024年3月には同社初のSPC(特別目的会社)を活用した資金調達スキームによる開発物件「KAMOME SLOW HOTEL」の売買を完了し、エステートビルドアップ事業において初めてのイグジットを達成しています。

この結果、当連結会計年度末におけるエステートビルドアップ事業の店舗数は関西地区13店舗その他地域4店舗の計17店舗前期末比 変わらず)となりました。

【財政面の状況】

自己資本比率>(自己資本(総資本-他人資本)÷総資産)×100

2024年7月期末時点で32.5%と前期末(32.3%)から0.2ポイント増加しています。

これは主に、それぞれ前期末比で、

  • 負債
    • 短期借入金866百万円増加その他流動負債325百万円増加し、流動負債が合計で1,000百万円増加
    • 長期借入金119百万円減少し、固定負債が合計で106百万円減少
  • 純資産
    • 利益剰余金449百万円増加し、株主資本が合計で449百万円増加

したことによるものです。

自己資本比率の数値としては問題ないレベルです。(20%以上を安全圏内としています。)

キャッシュ・フロー>2024年7月期通期のキャッシュ・フロー(以下、CF)の状況

  • フリーCF(営業活動によるCFと投資活動によるCFを合計した金額 ※1)359百万円の支出
    • 営業活動によるCF 424百万円の収入(前期 548百万円の収入
    • 投資活動によるCF 784百万円の支出(前期 952百万円の支出

 ※1 フリーCFの説明:

  • プラスの場合:会社が自由に使える資金が増える
  • マイナスの場合:会社が自由に使える資金が減る

前期(2023年7月期)通期のフリーCF(403百万円の支出)から44.3百万円増加しています。

営業活動によるCFの主な内訳(百万円):

  • 税金等調整前当期純利益 578
  • 減価償却費 437
  • 販売用不動産の増減額(△は増加) △500

投資活動によるCFの主な内訳(百万円):

  • 有形固定資産の取得による支出 △760
  • 差入保証金の差入による支出 △43.2
  • 子会社の清算による収入 25.4

【今期(2024年7月期通期)業績の見通し】

業績予測については、既存店の業績推移当連結会計年度に出店した店舗の通年寄与及び出店決定並びに検討案件の状況をもとに策定しており、表2の前期比 増収増益を見込んでいます。

現在発表しているオープン予定店舗「GARB Cheers OTEMACHI」(東京都千代田区:2024年10月)、「ボンサイ 1877」(京都市中京区:2024年9月)の2店舗となっていますが、

その他オープン予定店舗についても詳細が決定次第公表するとしています。

株価指標と動向

株価指標

【2023/10/8(火)終値時点の数値】

  • 株価:1,306円
  • 時価総額:117億円
  • PER(株価収益率):18.9倍

PERは、同業で時価総額が近い、WDI(3068) 17.5倍、グローバルダイニング(7625) 6.6倍、ワイズテーブルコーポレーション(2798) 22.0倍と比較すると中間的な水準です。

  • PBR(株価純資産倍率):3.50倍
  • 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):ー(信用売り残無し)
  • 年間配当金(予想):7.5円(年2回 1月 2.5円、7月 5円)、利回り:0.57%(配当性向 10.9%)

配当利回りは0.57%で、東証グロースの単純平均 0.71%(10/7時点)とほぼ同水準です。

表4のように、直近5年間の配当金は、1株当たり7.5~10円で推移しており、

配当性向は、最終赤字の年を除いて10%台~50%台です。

決算期1株当たり
年間配当金
[円]
配当性向
[%]
2020年7月期7.5
(最終赤字)
2021年7月期7.518.0
2022年7月期7.552.1
2023年7月期1013.2
2024年7月期7.512.3
表4:バルニバービ 年間配当金推移

この会社は、

今後の事業展開と財務内容の強化を図るため必要な内部留保を図りつつ、株主に対する利益還元を重要な経営課題と認識しており、

経営成績及び財政状態等を勘案し、利益還元政策を決定するとしています。

現段階では、成長のために必要な新規出店投資及び財務基盤の強化のため内部留保の充実を優先していますが、成果の配分として業績に応じた株主への利益還元を実施する方針としています。

また、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としています。

【株主優待】

この会社は株主優待があり、毎年7月末に100株以上保有の株主は、自社グループ店舗やECサイトで使用できる「優待電子チケット」3,000円相当(保有株数に応じて増加)が進呈されます。

また、毎年7月末日から起算して権利確定日(年4回(10月末、1月末、4月末、7月末))まで、100株以上を継続保有の株主に、応募式抽選会が開催されます。

宿泊券や食事コース(10,000 円相当)等が抽選で当たりますので、こちらも楽しみですね!

100株保有の場合、配当金+株主優待(「優待電子チケット」3,000円相当)で利回りは2.87%になります。

【直近の株価動向】

<週足チャート(直近2年間)>

2022年10月に安値(930円)をつけた後は、2023年4月に急上昇しはじめ、2023年7月に高値(1,760円)をつけました。

しかしその後は失速して調整しており、1,100~1,500円程度のレンジ内で推移しています。

<日足チャート(直近3か月間)>

7月下旬までは1,400円前後で推移していましたが、その後急落し、8/5に年初来安値(1,017円)をつけました。

しかしその後は上昇基調で推移しており、今回のPO発表の翌営業日(10/8)は、POによる1株利益の希薄化懸念により、窓を開けて出来高を伴い、前日比 53円安(-3.90%)と急落しました。

今後は、25日移動平均線(赤線)や年初来安値(1,017円)を割り込まずに、ヨコヨコから上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索を継続するのか、要注目です。

まとめ

【業績】

  • 前期(2024年7月期)通期の業績は、主力のレストラン事業において、ニューノーマルのライフスタイルにおける新しい外食時間として、時間の概念にとらわれず楽めるメニューの提案や空間づくりに取り組むとともに、顧客体験の向上と収益の最大化を目指し、既存店の再構築を進め、
    前期比 増収減益で、売上高は微増利益面は2~4割強減で着地。
  • 今期(2025年7月期)通期予想は、既存店の業績推移当連結会計年度に出店した店舗の通年寄与及び出店決定並びに検討案件の状況をもとに策定し、
    前期比 増収増益で、売上高は1割増利益面は1割強~4割増を見込む。

【株主還元】

  • 配当利回り(会社予想)0.57%で、東証グロースの単純平均 0.71%(10/7時点) と比較するとほぼ同水準
  • 直近5年間の配当金は、年間1株あたり7.5~10円で推移。
    配当性向は、最終赤字の年を除き、10%台~50%台
  • 株主優待があり、毎年7月末に100株以上保有の株主は、自社グループ店舗やECサイトで使用できる「優待電子チケット」3,000円相当(保有株数に応じて増加)が進呈され、
    加えて、毎年7月末日から起算して権利確定日(年4回(10月末、1月末、4月末、7月末))まで、100株以上を継続保有の株主に、応募式抽選会が開催される。
    100株保有の場合、配当金+株主優待(「優待電子チケット」3,000円相当)利回りは2.87%になる。

【流動性・新株式の発行株数】

  • 今回の新株式の発行数量は、発行済み株式数(自己株式を除く)の最大23.1%(第三者割当を含む)で、直近の新株式の発行を含むPOの発行株数比率(第三者割当を含む)(レシップホールディングス、地主、コロワイド)と比較すると多い数量
  • 直近の出来高の5日平均は230百株、25日平均は154百株(10/8時点)で、流動性は低い水準

【株価モメンタム】

  • 週足ベースの株価は、2022年10月に安値(930円)をつけた後は、2023年4月に急上昇しはじめ、2023年7月に高値(1,760円)をつけた。
    しかしその後は失速して調整しており、1,100~1,500円程度のレンジ内で推移。
  • 直近の株価は、7月下旬までは1,400円前後で推移していたが、その後急落し、8/5に年初来安値(1,017円)をつけた。
    しかしその後は上昇基調で推移しており、今回のPO発表の翌営業日(10/8)は、POによる1株利益の希薄化懸念により、窓を開けて出来高を伴い、前日比 53円安(-3.90%)と急落した。
  • 今後の株価は、25日移動平均線や年初来安値(1,017円)を割り込まずに、ヨコヨコから上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索を継続するのか要注目。

以上のことから、

レベル
(⭐(最低)~
⭐⭐⭐⭐⭐(最高))
業績⭐⭐⭐
株主還元
(配当、株主優待等)
株価モメンタム⭐⭐
流動性⭐⭐
新株式の発行数量⭐⭐
総合判定⭐⭐
(中立)
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」

と判断しました。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。

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