【結果検証:公募増資・売出(PO)は買いか?】浜松ホトニクス(6965)、ホーチキ(6745)、アイカ工業(4206)

公募増資・売出(PO)

こんにちは!

直近で公募増資・売出(以下、PO)を実施した銘柄に関して、POに応募して買った場合、利益は出たのか?

受渡期日当日と1週間後の結果を検証しました。

今回は、受渡期日が2024年9月の浜松ホトニクスホーチキ、10月のアイカ工業です。

最後までお付き合いいただけると嬉しいです💖

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売出価格とその後の株価推移

株価指標

まずは、売出価格で買って1週間(5営業日)後まで保有した場合、含み益なのか含み損なのか?確認していきましょう!

※売買手数料は考慮していません。

銘柄受渡
期日
売出
価格

[円]
ディス
カウント

率[%]
受渡日
始値[円]
(騰落率[%])
受渡日
終値[円]
(同)
1週間後
の始値[円]
(日付)
損益[円]
(騰落率

[%])
浜松ホトニクス
(6965)
9/17
(火)
3,2783.023,423
(+4.4)
3,421
(+4.4)
3,455
(9/25)
+177
(+5.4)
ホーチキ
(6745)
9/17
(火)
1,7523.041,882
(+7.4)
1,921
(+9.6)
2,040
(9/25)
+288
(+16.4)
アイカ工業
(4206)

10/16
(水)
3,1573.013,280
(+3.9)
3,319
(+5.1)
3,308
(10/23)
+151
(+4.8)
表1:直近のPO銘柄の売出(処分)価格とその後の推移

受渡期日の寄付又は大引けと1週間(5営業日)後の結果は、

全ての銘柄は、全ての段階で売出価格に対し損益プラス

でした。

特に、ホーチキ受渡日から1週間後の寄付で売却した場合、16.4%の損益プラスでした。

ちなみに、私は今回は購入無しでした。皆さんはいかがでしたでしょうか?

それでは個別に見ていきましょう!

要因分析:浜松ホトニクス(6965)

この会社のPO発表時の評価は、表2のように判断していました。

レベル
(⭐(最低)~
⭐⭐⭐⭐⭐(最高))
業績⭐⭐
株主還元
(配当、株主優待等)
株価モメンタム⭐⭐
流動性⭐⭐
株式の売出数量⭐⭐
総合判定⭐⭐
(中立)
2:浜松ホトニクス PO発表時の評価
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」

今期(2024年9月期)3Qの業績は、主力の「電子管事業」「光半導体事業」セグメントが前年同期比 減収減益のため、全体として、

前年同期比 減収減益で、売上高は1割減利益面は4割前後の減益でした。

今期通期業績予想は、主に医用分野、産業分野における部材不足を背景とした先行手配による顧客の在庫調整の影響が想定より大きく、今3Q決算発表と同時に下方修正しており、

前期比 減収減益で、売上高は1割弱減利益面は4割強減を見込んでおり、

その通期予想に対する進捗率は3Q終了時点で、売上高、利益面ともに8割前後でそこそこでした。

株主還元は、配当利回り(予想)は1.95%(8/30時点) で、東証プライムの単純平均 2.38%と比較すると低い水準でした。

直近5年間の配当金は、年間1株あたり40~76で推移しており、2020年9月期以降は連続増配を継続中の点は魅力的でしたね。

配当性向は、30%前後でほぼ安定しています。

会社の還元方針は、1株当たり利益の継続的な増加に努め、親会社株主に帰属する当期純利益に対する配当性向30%を目処に、配当の安定的な増加に努めることを配当政策の基本方針としていました。

また、今回のPOと同時に、売出しに伴う株式需給への影響を緩和を目的とした2024年6月に発表した自社株買いの取得枠拡大も発表しており、

株式の売出数量最大約840万株)に対し、そのうちの約8割弱を市場で買い入れて、一時的な需給悪化の緩和を図っていました

株価モメンタムは、2023年5月に上場来高値(7,590円)をつけるまでは上昇基調で推移していましたが、

その後は下落に転じ高値切り下げ安値切り下げの下落トレンドが継続している点は気がかりでした。

直近では、6/5の高値(4,941円)以降、高値切り下げ安値切り下げの下落基調が継続しており、8/13に年初来安値(3,723円)をつけていました。

PO発表後の株価は、POによる短期的な需給悪化懸念により、株価は軟調な展開が予想されましたので、

年初来安値(3,723円)を割り込まずヨコヨコから上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索をするのか注目していましたが・・・。

ご参考(PO発表時の分析):【公募増資・売出(PO)は買いか?】浜松ホトニクス(6965)

【PO発表後の株価の動き】

<日足チャート(直近3か月)>

PO発表翌営業日(9/3)以降は、POによる短期的な需給悪化を懸念され、下落基調で推移しました。

しかし、売出価格等決定日(9/9)に株価は底を打ちヨコヨコから上昇に転じ売出価格(3,278円)を上回って推移しています。

要因分析:ホーチキ(6745)

この会社のPO発表時の評価は、表3のように判断していました。

レベル
(⭐(最低)~
⭐⭐⭐⭐⭐(最高))
業績⭐⭐⭐
株主還元
(配当、株主優待等)
株価モメンタム⭐⭐
流動性⭐⭐
株式の売出数量⭐⭐
総合判定⭐⭐
(中立)
3:ホーチキ PO発表時の評価
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」

今期(2025年3月期)1Qの業績は、国内リニューアルや保守が順調に進捗し、海外為替の影響を含め、火災報知設備を構成する製品群のシステム販売が好調に推移し、

前年同期比 増収増益で、売上高は1割強増、利益面は営業利益は黒字転換経常利益と純利益は6~11倍増でした。

今期通期業績予想は、防災・情報通信業界における需要環境前年に引き続き堅調に推移することを想定し、

前期比 増収増益で、売上高、利益面ともに微増を見込んでおり、

その通期予想に対する進捗率は1Q終了時点で、売上高は2割強でそこそこ利益面は1割前後で遅れ気味でした。

株主還元は、配当利回り(予想)は2.75%(9/2時点) で、東証プライムの単純平均 2.38%(8/30時点) と比較するとやや高い水準でした。

直近5年間の配当金は、年間1株あたり27~58で推移しており、連続増配を継続中の点は魅力的でしたね。

配当性向は、10%台~20%台で安定しています。

会社の還元方針は、配当性向やDOE(株主資本配当率)等の指標も勘案しながら、累進的配当方針の維持に努めている点も良かったです。

株価モメンタムは、右肩上がりの上昇トレンドが継続しており、2024年5月に高値(2,545円)をつけていました。

直近では、7/11に高値(2,389円)をつけるまでは上昇基調で推移していましたが、その後は下落に転じ8/6に安値(1,851円)をつけました。

そしてその後は上昇基調で推移していましたが、今回のPO発表の翌営業日(9/2)、POによる短期的な需給悪化を懸念され、出来高を伴い窓を開けて前日比 205円安(-8.88%)と急落しました。

この下落で、全ての移動平均線を下抜けましたね。

PO発表後の株価は、直近の安値(1,851円)を割り込まずヨコヨコから上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索を継続するのか注目していましたが・・・。

ご参考(PO発表時の分析):【公募増資・売出(PO)は買いか?】ホーチキ(6745)

【PO発表後の株価の動き】

<日足チャート(直近3か月)>

この銘柄も浜松ホトニクスと同様に、PO発表以降下落基調で推移しましたが、売出価格等決定日(9/9)に下げ止まりました。

そして、それ以降は勢いよく上昇基調で、売出価格(1,752円)を15%程度上回りながら推移しています。

要因分析:アイカ工業(4206)

この会社のPO発表時の評価は、表4のように判断していました。

レベル
(⭐(最低)~
⭐⭐⭐⭐⭐(最高))
業績⭐⭐
株主還元
(配当、株主優待等)
株価モメンタム⭐⭐
流動性⭐⭐
株式の売出数量⭐⭐
総合判定⭐⭐
(中立)
4:アイカ工業 PO発表時の評価
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」

今期(2025年3月期)1Qの業績は、収益性の改善、成長事業の創出・育成、健全な経営基盤の構築などを推進し、

前年同期比 増収増益で、売上高は微増利益面は2割前後の増益となり、営業利益、経常利益、四半期純利益4期連続増益売上、営業利益、経常利益、四半期純利益過去最高を更新しました。

今期通期業績予想は、今1Q決算発表と同時に、1Qで高付加価値品へのシフト、各種コスト削減などに努め利益面が計画を大幅に上回ったため、利益面のみ上方修正し、

前期比 増収増益で、売上高、利益面ともに1割弱増を見込んでおり、

その通期予想に対する進捗率は1Q終了時点で、売上高、利益面ともに2割強でそこそこでした。

株主還元は、配当利回り(予想)は3.47%(10/1時点) で、東証プライムの単純平均 2.41%(9/30時点) と比較すると高い水準でした。

直近5年間の配当金は、年間1株あたり106~112で推移しており、連続増配を継続中の点は魅力的でしたね。

配当性向は、50%台~70%で推移しています。

会社の還元方針は、各期の連結業績、配当性向および内部留保を総合的に勘案し、中期経営計画「Value Creation 3000 & 300」」(2023~2026 年度)においては、安定配当の継続性を重視し、減配をしない累進配当を継続するとしていました。

また、今回のPOと同時に、売出しに伴う同社株式需給への影響を緩和を目的とした自社株買いも発表しており、

株式の売出数量最大約209万株)に対し、そのうちの最大約7割強を市場で買い入れて、一時的な需給悪化の緩和を図っていましたね。

株価モメンタムは、2023年5月に安値(2,950円)をつけた後は、高値切り上げ安値切り上げの上昇トレンドで推移し、2024年3月に高値(3,820円)をつけました。

しかしその後は調整していました。

直近では、7/18に高値(3,586円)をつけた後は、7月末からのいわゆる植田ショックに巻き込まれ急落し、8/5に年初来安値(3,170円)をつけました。

その後は、高値切り上げ安値切り上げの上昇基調で推移し、今回のPO発表の翌営業日(10/1)は、POによる短期的な需給悪化懸念により、出来高を伴い前日比 60円安(-1.77%)と急落しましたね。

PO発表後の株価は、8月につけた年初来安値(3,170円)を割り込まずヨコヨコから上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索を継続するのか注目していましたが・・・。

ご参考(PO発表時の分析):【公募増資・売出(PO)は買いか?】アイカ工業(4206)

【PO発表後の株価の動き】

<日足チャート(直近3か月)>

この銘柄も同様に、PO発表以降は下落基調で推移しましたが、売出価格等決定日(10/8)に下げ止まり

そして、それ以降はPOによる需給悪化懸念が解消してきて上昇基調で推移しています。

まとめ

浜松ホトニクス(6965)、ホーチキ(6745)、アイカ工業(4206)のPO予想と一週間(5営業日)後の株価は、表5の結果になりました。

銘柄名事前
予想
結果(損益)[円]
(「受渡日の1週間
(5営業日)後始値」
ー「売出価格」)

(騰落率[%])
判定
浜松ホトニクス中立+177
(+5.4)
×
ホーチキ中立+288
(+16.4)
×
アイカ工業中立+151
(+4.8)
×
表5:事前予想と結果
※事前予想の「買い」は3%以上の上昇、「中立」は±3%、「見送り」は3%以上の下落を想定しています。

今回は勝3敗、勝率0.000。大反省ですm(_ _”m)

どの銘柄も、売出価格等決定日に株価は底を打ち、POによる需給悪化懸念が後退してきて、それ以降は上昇に転じました。

PO銘柄の典型的な値動きとなりましたね。

9月に実施された浜松ホトニクスホーチキこの時期に日経平均の値動きが好調だったことも一つの要因でした。

今後の個別動向ですが、

浜松ホトニクスは、受渡日以降1週間程度はヨコヨコの値動きでしたが、それ以降は勢い良く上昇しています。

75日移動平均線が上向きになりかけており、それを支持線として更なる上昇に期待です。

ホーチキは、売出価格等決定日以降、上昇基調が継続しています。

ただ直近では、日経平均株価の失速とともに調整しています。

75日移動平均線を勢いよく上抜けて、上昇基調を継続できるのか要注目です。

アイカ工業は、上昇基調ではありますが勢いはやや弱めです。

自社株買いが需給面の支えとなり、25日移動平均線や75日移動平均線を勢いよく上抜ければ、上昇が加速しそうです。

参考になればうれしいです✨

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。

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