こんな疑問を解決!
- TradingViewって何?
- TradingViewにはどんな機能があるの?
- TradingViewの使い方は?
- TradingViewを使うメリットとデメリットは?
FXや株式などで、テクニカル分析をする時に必ず必要となるのがチャート分析ツールです。
多くの方は、証券会社が提供する独自のチャートツールを使用していると思いますが、やはり「物足りない」と思った経験があるのではないのでしょうか。
そんな方におすすめのチャートツールが、世界中のトレーダーや投資家が使用しているTradingView(トレーディングビュー)です。
ですが、使ったことがない方にとっては最初は不慣れに感じるかと思います。
そこで今回の記事では、SNS機能や学習ツールを備えた高機能チャート分析ツールのTradingViewの機能や使い方を解説します。
この記事を読めば、TradingViewを今日から始められますよ!
鈴木 拓也
株式会社フィンテラス代表取締役
- 三井住友銀行で為替ディーラー業務を経験して独立
- 純資産4億円をFXや株で運用中|2023年利益+5,000万円超
- 著書「7日でマスター FXがおもしろいくらいわかる本」「世界一やさしい FXチャートの教科書 1年生」など
- 公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定アナリスト
TradingViewとは
TradingViewは、アメリカのシカゴに本社を置くトレーディングビュー株式会社が開発している、Webブラウザ上で使える高機能チャート分析ツールです。
為替をはじめ、株式、先物、指数、仮想通貨、CFD、国債などの様々な市場のチャートを見ることができます。
しかも、FX会社の取引ツールやMT4でできること全てはTradingViewでできると言っても過言ではありません。それほど豊富な機能を備えています。
また、ユーザーは月間2,000万人を超えており、世界中のトレーダーや投資家に注目されており、当然、日本でも注目されています。
無料でも十分な機能を使用できますが、広告の非表示や、特殊なチャート機能の使用、カスタマーサポート、カスタムチャットルーム、プライベートアイデアや公開アイデアを使用したい方には有料版が用意されています。
さらに同一アカウントでサインインすれば、Web版・PCアプリ・スマホアプリで、様々な設定が同期されるのはうれしい機能です。
しかも、これらのほとんどは無料で使えますので、一度体験してみることをオススメします。
TradingViewの機能
TradingViewを使用し始めると、ある程度は直感的に操作できるようになりますが、何せ豊富な機能を持ち合わせていますので、初めに基本的な機能を押さえておきたいところです。
まずは、主な機能を紹介します。
TradingViewの主な機能
- マルチプラットホーム
- 多機能なチャート
- 豊富なインジケーター
- アラート
- インジケーターの作成と共有
- ソーシャルネットワーク
- デモトレード
- トレード機能
それでは、それぞれの機能の詳細を見ていきましょう。(以下、出典:公式HP)
① マルチプラットホーム
TradingViewは、ウェブブラウザやWindows用アプリ・macOS用アプリ・Linux用アプリが用意されている他、スマホアプリはAndroid・iOSと全ての端末で使用が可能です。
アカウントを作成すればどのデバイスでも同じ設定で使用できるのでとても便利です。
TradingViewのスマホアプリについて知りたい人は、以下もご覧ください。
② 数多くの金融商品を表示できる多機能なチャート
TradingViewでは、株式・先物・FX・CFD・仮想通貨・指数・経済指標など、世界中のありとあらゆる金融商品のチャートを表示できます。
通常、FX、CFD、株式、仮想通貨などといった、たくさんの金融商品を取引している人は、それぞれのチャートをチェックしたいときに、証券口座ごとのアプリを起動しなければなりません。
しかしTradingViewでは、これを一つのウェブブラウザ、一つのスマホアプリでチェックすることができます。
また異なる金融商品を比較して分析したい時には、TradingViewの一画面でできてしまうので、アプリを切り替える手間がなく非常に便利です。
しかも、チャートに描画したラインやインジケーターは、瞬時に自動でクラウドに保存されますので、他のデバイスでも同じ設定で見ることができます。
③ 豊富なインジケーター
チャートの種類は12種類もありますが、インジケーターもデフォルトで100種類以上あります。
さらに、公開ライブラリを含めると100,000以上もあります。
描画ツールにおいては80種類以上ありますので、組み合わせると様々な分析を可能にしてくれます。
TradingViewのおすすめインジケーターについて知りたい人は、以下をご覧ください。
記事:TradingViewのおすすめインジケーター5選と表示・設定方法
④ アラート
TradingViewのアラートは、どのデバイスからでも設定できます。
アラートの種類は12種類もあり、価格からの設定、インジケーターからの設定などカスタマイズが可能です。
また、通知の方法は、画面上のポップアップやサウンド、SMSでのテキストメッセージなど豊富な種類から選べます。
アラート機能について知りたい人は、以下をご覧ください。
⑤ インジケーターの作成と共有
TradingViewは、Pine Scriptと呼ばれる独自のスクリプト言語で設計されており、これによりユーザーは、カスタムインジケーターを作成し使用することができます。
コーディングは多少の学習を必要としますが、TradingView公式ページには、学習と作成のマニュアルが用意されていますので、学習を始めるのは容易です。
また作成したカスタムインジケーターは、他のトレーダーや投資家と共有する機能も備えています。
⑥ トレードアイデアを共有できるソーシャルネットワーク
TradingViewには、世界中の投資家やトレーダーと意見交換ができるSNS機能が搭載されています。
世界中の投資家やトレーダーの何千ものアイディアを見ることはもちろんのこと、自分のアイディアを投稿しチャットで意見交換もできるので、トレードしながら学習もできてしまうという優れものです。
⑦ デモトレード
TradingViewでは、無料のアカウントを作成するだけでデモトレードができます。
口座開設やデモ口座申請などの面倒な手間は必要ありません。
トレードの操作はとても簡単で、成り行きであれば3クリックで発注できてしまいますし、決済においては2クリックで可能です。
トレードや投資の練習としても環境が整っていますね。
⑧ トレード機能
トレード機能は、証券口座と紐つけることによって、TradingViewの画面から直接取引できる機能です。
2021年6月時点で連携可能な証券会社は、OANDA・TradeStation・サクソバンクの3社だけですので、この3社の口座を開設していれば、TradingViewの画面上から発注ができます。
残念ながら、国内の証券会社では使用できません。
TradingViewの画面構成と主要機能の使い方
操作方法は直感的にわかることが多いので、使い始めれば慣れてきます。しかし、何せ便利な機能が多いですから、いきなり全てを覚えるのは困難です。
初めに、主要な機能のいくつかを知っておくだけでも良いかと思います。
TradingViewの画面構成から主要機能の使い方を解説します。
TradingViewのアカウント作成
まずは、TradingViewの導入を行いましょう。
さらにその後、アカウントの作成が必要となります。アカウントを作成しなくても、チャートを見るだけであれば使うことはできますが、各種設定の同期などができません。
TradingViewのアカウント作成は、無料ですぐにできますので、アカウント作成しておくことをオススメします。
TradingViewのアカウントの作成はとても簡単で、「アカウント名」「メールアドレス」「パスワード」を設定し送信したら、登録メールアドレスから確認するだけです。
TradingViewの画面の構成
画面の構成は大きく6つに分けられます。
① | チャートエリア |
② | サインインなどのメインメニュー |
③ | チャートエリアの設定変更 |
④ | 描画パネルエリア |
⑤ | ウォッチリストやチャット・ニュースのエリア |
⑥ | 株式スクリーナーやPINEエディタ(コーディング)・トレードのエリア |
ひとつひとつ解説していきます。
① チャートエリア
このエリアは、チャートやインジケータの表示や操作をするエリアです。
チャートの拡大・縮小やインジケーター・ラインの描画など、チャートの基本的な操作は直感的に行えます。
画面の設定や描画したインジケータなどの設定変更は、右クリックでポップアップウィンドウを呼びだし、そこで変更可能です。
② サインインなどメインメニュー
サインインしてしまえば、あまり使うことはありませんが、カラーテーマを変更や描画パネルの表示・非表示の選択が行えます。
③ チャートの設定変更エリア
チャートエリアに表示するシンボル(金融商品)の変更や時間足の変更、表示足の変更、インジケーターの表示・変更、設定保存などができます。
このエリアは、たくさん操作をするところなので少し細かく説明します。
シンボルを変更したい場合
① | 左上の「ティッカー」をクリック |
② | ティッカーを入力 |
③ | ポップアップウィンドウで選択 |
時間足の変更をしたい場合
① | 左上の「日」や「1時間」などと表示された部分をクリック |
② | プルダウンリストから選択する |
別のチャートを重ねて表示したい場合
① | 左上の「比較」をクリック |
② | ポップアップウィンドウで選択 |
インジケーター・ストラテジーを表示させたい場合
① | 左上の「インジケーター」をクリック |
② | ポップアップウィンドウから選択 |
インジケーター・ストラテジーを全削除の場合
① | 画面上で右クリック |
② | インジケーターを削除 |
インジケーター・ストラテジーを一部削除の場合
① | 「インジケーター上でカーソルを動かす」もしくは「左のパラメーターにカーソルを合わせる」 |
② | 詳細をクリック |
③ | 「×」で削除 |
アラートを設定する場合
① | 上部にある「アラート」をクリック |
② | ポップアップウィンドウで設定 |
変更を元に戻したい場合
上部にある「矢印」で戻す
④ 描画エリア
チャートの分析をするときにさまざまな描画をします。例えばラインやフィボナッチ、マーカー・メモなどで、それらを描画したいときに使用するエリアです。
よく使う機能を解説します。
ライン・チャンネルなどを書きたい場合
① | 左側の描画パネルからトレンドラインツールを選ぶ |
② | プルダウンリストから選ぶ |
フィボナッチを使いたい場合
① | 左側の描画パネルからギャン&フィボナッチツールを選ぶ |
② | プルダウンリストから選ぶ |
テキストを書きたい場合
① | 左側の描画パネルからテキストツールを選ぶ |
② | プルダウンリストから選ぶ |
② | ポップアップウィンドウに入力 |
⑤ ウォッチリストやチャット・ニュースのエリア
ウォッチリストを作成・確認、ヘッドラインニュースや経済指標の確認、チャットなどのSNSの操作、動画配信をチェックするエリアです。
ウォッチリストは自分がよく見る金融商品を登録しておけるので、チャートの切り替えが容易になります。ヘッドラインニュースや、経済指標をワンクリックで確認できるのも便利ですね。
また、チャットなどのSNS確認もできますし、世界中のトレーダーが配信している動画での学習もできますので、情報収集・コミュニケーションエリアでもあります。
ウォッチリストを作りたい場合
① | 右上の「ウォッチリストと詳細」をクリック |
② | ウォッチリストの「+」をクリック |
② | ポップアップウィンドウで選択・登録 |
⑥ 株式スクリーナーやPINEエディタ(コーディング)・トレードのエリア
このエリアでは、株式の値や配当のスクリーニングやテキストノートの作成、インジケーターの作成、デモトレードができます。
頻繁に使う部分ではありませんが、あると便利な機能が盛り込まれています。
特にデモトレードはアカウントを作成してしまえば、すぐに使用できますので便利です。
デモトレードをしたい場合
① | 下の「トレードパネル」をクリック |
② | 「Paper Trading」をクリック |
TradingViewのメリット・デメリット
TradingViewを使用するメリットは上記してきたようにたくさんあります。
メリット
- マルチプラットホーム
- 多機能なチャート
- 豊富なインジケーター
- アラート
- インジケーターの作成と共有
- ソーシャルネットワーク
- デモトレード
- トレード機能
- ほとんどの機能を無料で使える
しかし、次のようなデメリットもあります。
デメリット
- 無料プランでは機能制限がある
- 多機能であるが故に使いこなすまでには少し時間がかかる
- 直接トレードできる証券会社が限られる
無料プランでは機能制限がある
証券会社で無料提供されるチャートやツールは、多くの場合無料で使用ができますが、TradingViewの場合は、全ての機能を使おうと思った場合、有料プランを契約しなければなりません。
例えば、一つの画面に複数の別銘柄のチャートを表示する場合や、インジケーターを3つ以上表示したい場合です。
無料プランと有料プランの違いは以下をご覧ください。
記事:TradingViewの有料・無料の違いを料金・機能面から徹底比較
多機能であるが故に使いこなすのに時間がかかる
上記の解説で、TradingViewは多機能であることはお分かりできたかと思います。
しかし、それが故に使いこなそうと思った場合には、少し時間がかかってしまうという側面もあります。
証券会社が提供するトレードツールやチャートツール、アプリはシンプルさを売りにしていることの方が多いです。
それに比べTradingViewは、どちらかといえば多機能を売りにしていますので、適宜使い分けるといったのも一つの手です。
直接トレードできる証券会社が限られている
TradingViewは、特定の証券口座と連携することにより、TradingViewの画面から直接トレードが行えます。
しかし、この連携できる証券会社は以下の3社に限られます。
- OANDA
- TradingStation
- サクソバンク
ですから、この証券会社で口座を持っていない方は、TradingViewで情報収集や分析をして、トレードは自分が契約している証券会社で行う、といった使い分けが必要になります。
TradingViewのまとめ
TradingViewとは?からTradingViewの機能の紹介、使い方を解説しました。
TradingViewは多機能で、使いこなせればFXトレーダーや投資家の強い味方となることは間違いありません。
一方、機能が多い故の煩わしさを感じるかもしれませんが、初めはワンクリック、一つの機能から触れながら慣らしていきましょう!
その他、TradingViewで移動平均線とMACDを使う方法は以下をご覧ください。