こんにちは!
2025年6月権利確定のJ-REIT(全8銘柄)をピックアップし、その中で分配金利回り(2025年6月2日終値時点)が高い上位3銘柄を抽出。
さらに、分配金の安定度、投資口価格モメンタムや流動性の高さなども加味して、どのJ-REITが買いなのか総合的に分析しました。
最後までお付き合いいただけるとうれしいです!
【J-REITの簡単な説明】
投資信託の仲間であり、我々投資家は、東京証券取引所でJ-REIT(不動産投資法人)商品を購入し、J-REITが、商業施設やホテル、住宅などの不動産を保有・運営してその家賃収入や売却益を得て、その収益の中から分配金として投資家に配分されるもの。
J-REITは全体的に、高分配の銘柄が多く存在します。そして、分配月もばらけていますので、複数のJ-REITを保有すると分散投資にもなりますし、ほぼ毎月分配金をいただける嬉しい状況になります。
それでは行ってみましょう!
TOP3:フロンティア不動産投資法人(8964)

【特徴】
- 2004年8月の上場から商業施設特化型REITとして、中長期にわたり安定的な収益を確保することを目指している。
- 三井不動産をスポンサーとし、商業施設運営のノウハウの提供を受けることによりポートフォリオの安定性と成長性の両立を実現している。
また、三井不動産グループが開発・運営を手がける多種多様な商業施設の取得による外部成長を継続している。 - 商業施設の個別性やリスクを見極め、中長期的に競争力を有する物件(地域一番店)へ選別投資をすることにより収益基盤の安定性の維持及び向上を図っている。
- 財務面においては、商業施設に特有の、テナントから預託される多額の敷金保証金を活用した財務運営ができることが大きな強み。
借入金に敷金保証金を合わせた負債比率(LTV)を丁寧にコントロールすることにより、堅実な財務運営を行っている。
【ポートフォリオ構築方針】
<取得基準>
個別の不動産及び不動産信託受益権に係る不動産の選定に当たっては、当該不動産の購入予定価格、予想収益、立地特性、環境、将来性、施設規模、建物及び設備等の状況、耐震性、権利関係、入居テナントの信用力、店舗の売上高、賃貸借契約の内容、建物管理の状況等を十分に検討し、中長期的に優位性、収益安定性を持つものを選定。
なお、1投資物件当たりの最低投資額(税金及び取得費用等を除く)は、原則として10億円以上(ただし、他の投資物件に付随して投資するものについてはこの限りではない。)
<投資物件の選定>
不動産及び不動産信託受益権に係る不動産の選定に際しては、個別物件毎にデュー・ディリジェンスを詳細に実施し、当該物件の価値を見極めた上で、全体のポートフォリオへの影響や価値向上への寄与度等を総合的に判断し決定する。
【保有資産】
ポートフォリオの合計(2025年3月末現在)
物件数:42件、取得価格:3,757億円、稼働率:100%(2024年12月末現在)
ポートフォリオの分散状況:(2024年12月末現在)
<物件タイプ別投資比率>
- リージョナル(地域)SC 37.1%
- ネイバーフッド(近隣)SC 18.0%
- 都心型商業施設 22.4%
- アウトレットモール 5.8%
- 食品スーパー・その他 7.0%
- 底地(※1) 9.7%
※1:底地
他の人に貸すことで、何らかの利益を得ている土地
<地域別投資比率>
- 首都圏 53.1%
- 中部 16.0%
- 関西 14.5%
- 中国 7.9%
- 九州・沖縄 8.4%
となっており、物件タイプ別ではリージョナル(地域)SC(ショッピングセンター)が最も多く4割弱、
地域別では「首都圏」が5割強を占めています。
【投資口価格動向・分配金推移】
<2025年6月2日(月)終値時点>
- 投資口価格(1口当たり):82,700円
- 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):14.8倍
- 年間分配金(法人予想):4,400円(2025年6月 2,200円、2025年12月 2,200円)、利回り:6.12%
直近5営業期間の分配金は、表1のようになっており、
分配金は、1口当たり2,109.8~2,224.4円で推移(2025年1月1日付1/5分割後換算)しており、最大と最小の幅は114円です。
決算期 | 1口当たり 分配金 [円] |
2022年12月期 | 2,224.4 |
2023年6月期 | 2,221.8 |
2023年12月期 | 2,109.8 |
2024年6月期 | 2,206 |
2024年12月期 | 2,200 |
【直近の投資口価格推移】
<週足チャート(直近2年間)>
2023年6月に高値(98,500円)をつけた後は、高値切り下げ安値切り下げの下落トレンドで推移し、2025年4月に安値(75,300円)をつけています。
<日足チャート(直近3か月間)>
4/7に年初来安値(75,300円)をつけた後は、高値切り上げ安値切り上げの上昇トレンドで推移し、5/29に年初来高値(83,300円)をつけています。
TOP2:マリモ地方創生リート投資法人(3470)

【特徴】
- 2016年7月に東証J-REITに上場した、レジデンス・商業施設・ホテル・オフィス・物流施設・駐車場からなる総合型J-REIT。
- 東京圏や関西、中部圏などの大都市圏の物件に比重を置き投資していているJ-REITが多い中、地方都市に重点を置き、“地方から日本を強くしていく”ことを基本理念としているところが特徴。
- スポンサーである株式会社マリモの不動産開発・市街地再開発ノウハウおよびバリューアップノウハウを活用した「まち」を再生し、
地域貢献性の高いレジデンスや商業施設等への投資による「まち」の活性化を促進している。 - 地方を中心とした総合型ポートフォリオを構築することにより、「相対的に高い投資利回り」かつ「安定的な収益」の確保と運用資産の確実な成長を志向し、投資主価値の中長期にわたる向上を目指している。
【ポートフォリオ構築方針】
- 地域別投資比率
- 地方都市(東京圏を除いた原則人口20万人以上の都市)、その他地域(地方都市および東京圏を除いた全国の地域) 70%以上
- 東京圏(東京都、神奈川県、千葉県及び埼玉県) 30%以下
- 用途別投資比率
- 「レジデンス」及び「商業施設」 70%以上
- ホテル、オフィス、物流施設及び駐車場 30%以下
【保有資産】
ポートフォリオの合計(2025年5月30日現在)
物件数:59件、取得価格:606億円、稼働率:98.5%(2025年4月30日現在)
ポートフォリオの分散状況:
<アセットタイプ別投資比率>
- レジデンス 33.6%
- 商業施設 44.9%
- ホテル 9.3%
- オフィス 7.7%
- 物流施設 4.6%
<地域別投資比率>
- 北海道 8.5%
- 東北 8.5%
- 東京圏 6.9%
- 甲信越・北陸・関東(首都圏除く) 16.8%
- 東海 13.6%
- 近畿 10.3%
- 中国・四国 16.2%
- 九州・沖縄 19.2%
となっており、アセットタイプ別では「商業施設」が最も多く4割強、「レジデンス」が2番目に多く3割強、
地域別では「九州・沖縄」が最も多く2割弱を占めています。
【投資口価格動向・分配金推移】
<2025年6月2日(金)終値時点>
- 投資口価格(1口当たり):107,400円
- 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):845倍
- 年間分配金(法人予想):6,575円(2025年6月 3,542円、2025年12月 3,033円)、利回り:6.12%
直近5営業期間の分配金は、表2のようになっており、
分配金は、1口当たり3,452~3,713円で推移しており、最大と最小の幅は261円です。
決算期 | 1口当たり 分配金 [円] |
2022年12月期 | 3,689 |
2023年6月期 | 3,713 |
2023年12月期 | 3,452 |
2024年6月期 | 3,684 |
2024年12月期 | 3,617 |
【直近の投資口価格推移】
<週足チャート(直近2年間)>
2024年5月に高値(135,000円)をつけた後は、高値切り下げ安値切り下げの下落トレンドで推移し、翌年4月に安値(95,700円)をつけています。
<日足チャート(直近3か月間)>
4月上旬の「トランプ関税ショック」で急落し、4/7に年初来安値(95,700円)をつけました。
しかしその後は上昇基調で推移しており、6/2に高値(108,600円)をつけています。
TOP1:インヴィンシブル投資法人(8963)

【特徴】
- ホテル及び住居をコアアセットとして重点的に投資し、中長期的な観点から、着実な成長と安定的な収益確保を目指して運用を行っている。(=コアアセット)
- その他、オフィスビルや商業施設など、ホテル又は住居以外の不動産が本体又は裏付けとなっている不動産等及び不動産対応証券(※2)に対しても分散投資を行っている。(=サブアセット)
※2:不動産対応証券
不動産貸付の賃料収入や不動産を売却する際の代金を収益の源泉とする有価証券 - 特定地域における経済情勢の変動リスクを回避し、特定地域への集中投資に伴う震災リスク等を分散し、
着実な運用資産の成長と中長期的に安定した収益の確保を図るため、運用資産にかかる物件の所在地域が分散されたポートフォリオの構築を目指している。
【ポートフォリオ構築方針】
<用途別投資比率>
コアアセットへの投資比率は取得価格ベースで50%以上
<地域別選定方針>
- 主として首都圏(東京都、神奈川県、千葉県及び埼玉県)及び政令指定都市とするが、投資機会を柔軟に追求することを可能とするため、全国の主要都市及びそれらの周辺地域並びに海外を含む。
- 特定地域における経済情勢の変動リスクを回避し、特定地域への集中投資に伴う震災リスク等を分散し、着実な運用資産の成長と中長期的に安定した収益の確保を図るため、
運用資産にかかる物件の所在地域が分散されたポートフォリオの構築を目指す。 - 海外については、当面の間、ホテルのみに投資する。
<地域別投資比率>
- 首都圏(東京都、神奈川県、千葉県及び埼玉県)及び政令指定都市 85%以上
- 海外(北米、欧州、アジアに属する国・地域のうち、政治・経済・金融システムの安定度が高く、
法律・会計・税務・不動産市場等に関する透明性が確保されている先進国・地域、又はこれに準ずる国・地域(米国・カナダ・英国・英領ケイマン諸島・シンガポール等)) 15%未満
【保有資産】
ポートフォリオの合計(2024年7月31日現在)
物件数:146件、取得価格:6,530億円、稼働率:99.7%(2025年4月30日現在)
ポートフォリオの分散状況:
<用途別比率>
- ホテル 93.8%
- 住居 5.9%
- その他 0.4%
<地域別比率>
- 東京23区 26.5%
- 首都圏(除く東京23区) 10.6%
- 北海道 12.7%
- 中部 9.9%
- 関西 11.4%
- 九州 15.3%
- その他 8.0%
- 海外 5.5%
アセットタイプでは「ホテル」が9割強、地域別では「東京都心23区」が最も多く3割弱を占めています。
【投資口価格動向】
<2025年6月2日(月)終値時点>
- 投資口価格(1口当たり):60,900円
- 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):340倍
- 年間分配金(法人予想):3,951円(2025年6月 1,895円、2025年12月 2,056円)、利回り:6.49%
直近5営業期間の分配金は、表3のように、1口当たり832~1,982円で推移しており、連続増配を継続中です。
コロナ禍ではホテルの稼働率が落ち込んだため、分配金も極端に減少しています。
決算期 | 1口当たり 分配金 [円] |
2022年12月期 | 832 |
2023年6月期 | 1,464 |
2023年12月期 | 1,640 |
2024年6月期 | 1,917 |
2024年12月期 | 1,982 |
【投資主優待】
このJ-REITは投資主優待があり、毎年6月末と12月末の投資主は、
【A】シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル
【B】マイステイズホテルグループの全てのホテル
の対象ホテルにおいて、割引価格で宿泊できます。(※利用回数は制限なし)
【直近の投資口価格推移・分配金推移】
<週足チャート(直近2年間)>
2023年7月に安値(53,800円)をつけた後は、高値切り上げ安値切り上げの上昇基調で推移し、翌年5月に高値(73,100円)をつけました。
しかしその後は調整しており、高値切り下げ安値切り下げの下落トレンドで推移しています。
<日足チャート(直近3か月間)>
3月下旬に高値(65,200円)をつけた後は、「トランプ関税ショック」で急落し、4/7に年初来安値(55,700円)をつけました。
しかしその後は、高値切り上げ安値切り上げの上昇基調で推移しています。
まとめ

2025年6月権利確定J-REITをまとめると・・・
TOP | 法人名 | アセット タイプ | 地域分散 | 資産 規模 | 投資口 価格 モメンタム | 流動性 | 投資主 優待 | 分配金の 安定度 | 分配金 利回り [%] |
1 | インヴィンシブル (8963) | ホテル、 住宅 | 首都圏 中心 | 中 | △ | 〇 | 〇 | × | 6.49 |
2 | マリモ地方創生リート (3470) | 総合 | 日本全国 (地方重視) | 小 | △ | △ | × | △ | 6.12 |
3 | フロンティア不動産 (8964) | 商業施設 | 首都圏 中心 | 中 | △ | 〇 | × | 〇 | 5.32 |
今回は、どのJ-REITも利回りは5%超で上位2つは6%超となりました。
そして、「フロンティア不動産」は、今年1月に1/5分割して1口当たり10万円以下となっており、「インヴィンシブル」とともに購入しやすくなっています。
直近では、J-REIT全体の投資口価格は、2025年4月初旬の「トランプ関税ショック」の安値以降は上昇基調が継続して底打ち感が見え始めており、まだまだ上昇が期待できそうです。
個別では、
「インヴィンシブル」は、昨今のインバウンドの活況に伴い、今後も収益力向上が期待できそうです。
そして、ホテル宿泊割引の投資口主優待もありますので、その点も魅力的です。
「マリモ地方創生リート」は、“地方から日本を強くしていく”ことを基本理念している点が共感が持てます。
週足ベースの投資口価格は、直近で連続陽線をつけて底打ち感も出ています。
「フロンティア不動産」は、J-REITの中では数少ない商業施設に特化しており希少です。
今回の紹介した中でもいち早く52週移動平均線を上抜けしそうで、これを突破すれば投資口価格の上昇も期待できそうです。
今回ご紹介していない6月権利のJ-REITの中では、フロンティア不動産の次に利回りが高い
日本リート(3296)は利回り5.29%(6/2時点)、CREロジスティクスファンド(3487) 5.08%でいずれも利回りは5%超となっていますので、こちらも検討してみても良いかもしれませんね。
2025年6月の権利付き最終日は26日(木)(権利落ち日:6/27)です。
参考になればうれしいです✨
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。