【公募増資・売出(PO)は買いか?】アズワン(7476)

公募増資・売出(PO)

こんにちは!

公募増資・売出(以下、PO)の実施を発表した銘柄に関して、POに応募して買った場合、利益を得ることができるのか?直近の経営状況や客観的な指標、株価モメンタム等を踏まえ、総合的に分析しました。

今回は、東証プライムから卸売業種のアズワンです。

最後までお付き合いいただけるとうれしいです!

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  • 公募増資・売出(PO)とは?
既上場企業が新たに発行する株式(公募株式)や既に発行された株式(売出株式)を投資家に取得させることをいいます。
正確には、「PO」は「Public(公開の)Offering(売り物)」の略で、日本語では「公募」と呼ばれます。「公募」とは、「不特定かつ多数の投資家に対し、新たに発行される有価証券の取得の申込を勧誘すること」をいいます。
また、「売出」とは、「既に発行された有価証券の売付けの申込み又はその買付けの申込の勧誘のうち、均一の条件で50人以上の者を相手方として行う」ことをいい、通常は「公募」「売出」を合わせて「PO」と呼ばれます。
「新規公開株(IPO)」は未上場企業が直接金融市場からの資金調達や知名度・信用力の向上を目的として証券取引所に新規上場するために一般投資家に株式を取得してもらう行為であるのに対して、「公募・売出(PO)」は既に上場していて証券取引所での株式取引が行われている企業が追加の資金調達や大株主の保有株売却などを目的として一般投資家に株式を取得してもらう行為であり、「新規公開株(IPO)」と「公募・売出(PO)」の違いを簡単にいえば、実施する企業が「未上場」か「既上場」かの違いといえます。

POの概要

まとめ

今回のPOは、大株主(りそな銀行、三菱UFJ銀行)からの株式の売出しです。売出価格等決定日や受渡期日、売出数量等は表1のようになっています。

ディスカウント率は、「売出価格等決定日」に決まり、その日の終値から数%です。

ちなみに、直近の主なPOのディスカウント率は、JR西日本(9021) 3.01%、ゆうちょ銀行(6178) 2.08%、デンソー(3387) 3.02%となっており、ほぼほぼ2~5%程度です。

ただ、ディスカウント率が大きいPOもあり、直近ではENECHANGE(4169)の8.1%が最大です。

注意点として、どの証券会社でも購入できるわけでなく、主幹事(今回は大和証券SMBC日興証券)はじめ、引受人の証券会社で購入申込可能です。

早ければ、1/15(水)の夕刻に、会社側から売出価格等のお知らせが適時開示であります。

このブログ記事も更新しますので、チェックしてくださいね💖

売出価格等決定日2025年1月15日(水)から 20日(月)までの間のいずれかの日
受渡期日
(POで買った場合はこの日から売却可能)
売出価格等決定日の5営業日後の日
株式の売出し
引受人の買取引受による売出し
数量
普通株式 3,384,600
発行済み株式総数 79,752,540 株 の約4.24%
②株式の売出し
(オーバーアロットメントによる売出し)
数量
普通株式 507,600 (上限の数量)
大和証券が売出す。
売出価格(決定後記載)
ディスカウント率(決定後記載)
申込単位数量100 株
主幹事大和証券、SMBC日興証券
表1:アズワン(7476) PO概要

【株式売出しの目的】

  • 同社は、「革新と創造」を経営理念に掲げ、研究開発や医療に携わるエンドユーザーの物品調達にかかる利便性向上に資することを目的に、
    理化学機器や関連する備品消耗品をはじめとした多種多様な商材迅速かつ効率的に提供することに注力している。
  • 2022年5月に公表した中期経営計画「Project ONE ver.2.0」(2023年3月期~2025年3月期)では、取扱い商品点数の420万点から1,000万点超への大幅な拡大商品データベースの構築、エンドユーザーや販売店の購買行動の変化に応えたeコマースシステムの充実、物流拠点の増強、機器のレンタルやアフターメンテナンスなどサービス事業の強化などを進め、顧客への提供価値の向上に取り組んできた。
  • また、資本政策面では、事業成長に必要な投資資金を確保する一方で、資本効率の向上を重要な経営課題と位置付け、13年間継続している増配機動的な自己株式の取得による株主還元の充実などを実施してきた。
    加えて、ステークホルダーの皆様との積極的な対話や情報開示の拡充を行い、コーポレート・ガバナンスの充実にも積極的に取り組んでいる
  • このような状況下、今般、複数の取引金融機関から同社株式の売却意向を確認したため、最適な当該株式売却の手法を検討した結果、
    同社株式の円滑な売却機会を提供しながら、個人投資家層を中心とした株主層の拡大及び多様化を図るとともに、同社株式が市場売却されることによる市場価格への影響を緩和することを目的として、株式の売出しの実施を決定した。
  • 同社は、今後も株主や投資家とのコミュニケーションを通じて経営の規律をより一層高めることにより、更なる企業価値の向上に取り組んでいく。

としています。

また、今回の株式の売出数量は、発行済み株式総数の最大約4.88%(OAを含む)で、

直近の株式の売出のみのPOの売出株数比率(OAを含む)は、大成温調 5.01%、寿スピリッツ 1.9%、日産東京販売HD 10.4%でしたので、それらと比較すると中間的な数量です。

また、この銘柄の直近の出来高(売買が成立した株数)の5日平均は4,124百株、25日平均は1,536百株(1/7時点)で、流動性はやや高い水準です。(1日 1,000百株を平均的な水準としています。)

どんな会社?

理化学機器の総合卸・商社です。

事業領域としては、研究所等に研究用機器・消耗品を総合的に提供する科学機器分野から、エレクトロニクス等の生産施設等に無塵手袋や工具等を提供する産業機器分野

そして、いち早く高齢化社会を予見し、主に看護用品等を提供する病院・介護用品分野へも進出しています。

同社グループは、ラボラトリー分野インダストリー分野及びメディカル・介護分野における販売店に、主として機器・備品・消耗品等を卸売の形態で販売しています。

2024年3月期通期の部門別売上高構成比は、

  • ラボ・インダストリー部門 82.0%
    (内訳)
    • ラボラトリー部門 61.8%
    • インダストリー部門 20.2%
  • メディカル部門 17.5%
  • その他 0.6%

となっており、「ラボラトリー部門」が6割強を占めています。

直近の経営概況

経営状況

【2025年3月期2Q(2024年4月~9月)の経営成績】

(2024年10月31日発表:日本基準(連結))

決算期売上高
[億円]
(前年
同期比
増減率
[%])
営業
利益
[億円]
(同)
経常
利益
[億円]
(同)
親会社株主
に帰属する
当期純利益

[億円]
(同)
2024年3月期
2Q累計
441
(3.6)
49.7
(△6.7)
51.6
(△3.1)
35.5
(△3.5)
2025年3月期
2Q累計
486
(10.2)
52.6
(5.9)
55.7
(8.0)
38.2
(7.7)
2025年3月期
通期会社予想
1,012
(6.0)
110
(5.7)
116
(7.2)
80.6
(7.5)
通期予想に対する
2Qの進捗率[%]
48.047.748.047.4
表2:アズワン 2025年3月期2Q経営成績と通期会社予想

表2の通り、前年同期比 増収増益で、売上高は1割増利益面は1割弱増でした。

今期(2025年3月期)通期の業績予想は、前期比 増収増益で、売上高、利益面ともに1割弱増を見込んでおり、

その通期予想に対する進捗率は2Q終了時点で、売上高、利益面ともに5割でそこそこです。

【2025年3月期2Qの状況、経営成績の要因】

同社は以下施策等を遂行し、卸としてハブ機能を発揮できるビジネスを深掘りし、デジタル化・省人化を求める顧客の利便性を高め、更なる事業領域の拡大を推進しました。

主な施策は以下です。

  • 商品データベースSHARE-DB上の取扱商品を1,150万点超に拡大(前年同期末比約150万点増と各種販売チャネルへの展開
  • サプライヤーとの在庫連携を推進しWEB上の在庫を約1,390億円分まで拡大(同約380億円増
  • 在庫シミュレーション分析の高度化により、バランスシート上の在庫金額をほとんど増やさずに実在庫アイテム点数を前年同期末比9%増加
  • EC施策として集中購買システムocean接続先を379社に拡大(同68社増
  • 同じくEC施策として販売店支援型ECシステムWaveへのエンドユーザー登録者数を19,205社に拡大(3,937社増
  • 再生医療を産官学で推進する未来医療国際拠点Nakanoshima Qross(大阪市北区中之島)に解析受託やCPC(細胞培養加工施設:Cell Processing Center)環境の設備提供などを通じた情報発信拠点として「中之島クロスラボ」を開設

これらの活動が相乗効果を発揮し、当中間期の連結売上高は486億円(前年同期比10.2%増となりました。

収益性については、調達コストの上昇と並行して機動的なプライシングを実施していますが、

メディカル部門における販売商品構成の変化に加えラボ・インダストリー部門でも比較的高額な設備・装置の引き合いが増加したこと等により、前年同期との比較において売上総利益率は1.1ポイント低下しました。

一方、売上高の伸張が大きく売上総利益は895百万円増加しました。

販売費及び一般管理費については、9,449百万円(同6.8%増となりました。

増加要因としては、4年ぶりとなる中国語カタログの発刊や例年3Qの発刊・計上であった総合カタログを早めに発刊したことに伴う前倒し計上等による広告宣伝費の増加(275百万円)をはじめ、

また、売上成長に伴う運賃・倉庫作業料の増加、人件費の増加等がありました。

この結果、営業利益は5,268百万円(同5.9%増経常利益は5,579百万円(同8.0%増親会社株主に帰属する中間純利益は3,822百万円(同7.7%増となりました。

【セグメント別の業績】

部門別の売上高は、表3の結果になりました。

主力の「ラボラトリー」「インダストリー」「メディカル」前年同期比 増収

「その他」減収でした。

部門分野売上高
[億円]
(前年同期比
増減率
[%])
ラボ・
インダストリー
(全体)400
(11.4)
ラボラトリー295
(10.5)
インダストリー104
(14.4)
メディカル83.3
(5.1)
その他2.7
(△0.3)
表3:2025年3月期2Q 部門別売上高

部門別の状況は以下です。

ラボ・インダストリー部門

大学、研究機関及び企業の研究部門等を対象とするラボラトリー分野では、官民ともに活発な研究活動が行われ、

ラボ用消耗品、安全・防災用品、ラボファニチャー等のほか高額分析装置の売上が伸張しました。

また、チャネルとしては集中購買システム及びネット通販事業者向けの売上高前年同期比17.5%増当分野の成長を牽引しました。

これらにより当分野の売上高は295億円(同10.5%増と堅調に推移しました。

また、製造現場等を対象とするインダストリー分野では、各産業へ商品供給のハブとしての同社利便性の浸透が進み、

クリーンルーム消耗品・備品、ATP測定器等の衛生管理用品、温湿度記録計pH計等の計測・測定機器等多方面で売上が伸張しました。

チャネルとしては、ラボラトリー分野と同様、集中購買システム及びネット通販事業者向けの売上高が同35.6%増と当分野の成長を牽引しました。

これらにより当分野の売上高は104億円(同14.4%増となりました。

ラボラトリー分野、インダストリー分野とも、拡大を続ける商品データベースの情報を各販売チャネルに効果的に展開していく営業活動が奏功しました。

メディカル部門

医療機関や介護施設等を対象とするメディカル部門では、新型コロナウイルス感染症需要の反動減が一巡し、半期ベースで増収に転じました。

開業支援活動診療報酬改定等に応じた商品提案活動を行っているほか、

再生医療に必要なCPC(細胞培養加工施設)の申請から設計、施工、機器装置の納品まで一括でサービス提供を行う活動が奏功し、通常需要に加え大口の一括受注の獲得が複数できました。

また、集中購買システム及びネット通販事業者向けの売上高は、まだ少額ながら同52.4%増と伸展しました。

一方で、診療報酬の改定が実施された6月以降は医療機関の購買行動に変調が見られ、特に纏め買いを含めた中価格帯以上の引き合いの軟化傾向が続きました。

その他

連結対象会社の株式会社トライアンフ・ニジュウイチは「OffSide」システム等により理化学機器・消耗品等のWEB購買業務代行サービスシステム提供を行っています。

【財政面の状況】

自己資本比率>(自己資本(総資本-他人資本)÷総資産)×100

2025年3月期2Q末時点で72.0%と前期末(67.3%)から4.7ポイント増加しています。

負債及び純資産の、主な前期末比の増減は以下となっています。

  • 負債 (百万円)
    • 流動負債 △4,877
      (内訳)支払手形及び買掛金 △4,414賞与引当金 △349
    • 固定負債 △996
      (内訳)長期借入金 △688繰延税金負債 △336
  • 純資産(億円)
    • 株主資本 +1,690
      (内訳)利益剰余金 +1,597
    • その他の包括利益累計額 △739
      (内訳)その他有価証券評価差額金 △997

自己資本比率の数値としては問題ないレベルです。(20%以上を安全圏内としています。)

キャッシュ・フロー>2025年3月期2Q累計のキャッシュ・フロー(以下、CF)の状況

  • フリーCF(営業活動によるCFと投資活動によるCFを合計した金額 ※1)4,301百万円の収入
    • 営業活動によるCF 5,196百万円の収入(前年同期 3,945百万円の収入
    • 投資活動によるCF 894百万円の支出(同 1,503百万円の支出

 ※1 フリーCFの説明:

  • プラスの場合:会社が自由に使える資金が増える
  • マイナスの場合:会社が自由に使える資金が減る

前期(2024年3月期2Q累計)のフリーCF(2,441百万円の収入)から1,860百万円増加しています。

営業活動によるCFの主な内訳(百万円):

  • 税金等調整前中間純利益 5,579
  • 売上債権の増減額(△は増加) 5,822
  • 仕入債務の増減額(△は減少) △4,446

投資活動によるCFの主な内訳(百万円):

  • 投資有価証券の取得による支出 △316
  • 有形固定資産の取得による支出 △700
  • 無形固定資産の取得による支出 △322

【今期(2025年3月期)通期業績の見通し】

同社を取り巻く業界は、ドライバーや医師の残業上限規制の適用などが始まっています。

一方、DX(デジタルトランスフォーメーション)、GX(グリーントランスフォーメーション)、BX(バイオトランスフォーメーション)などのトレンドは、購買のデジタル化や研究開発を伴うものであり、

ECを活用したハブ機能を強みとして研究開発や医療の世界にビジネス展開する同社にとって追い風となっています。

ラボ・インダストリー部門では、半導体製造等の国内回帰により、クリーン環境を必要とする研究や生産現場の環境構築のための消耗品・計装機器・装置等の需要の増加を見込んでいます。

メディカル部門においては、賃上げへの対応や働き方改革など業界特有の課題がある一方、

コロナ禍による反動減は一巡し前期対比で見ても平常モードへの移行が見込まれ、再生医療向けのCPC(細胞加工施設(Cell Processing Center))関連等の新しいニーズも生じています。

このような環境のもと、同社グループでは「研究・産業・医療のフィールドで、人・モノ・情報・サービスを繋ぎ、成果を加速させる」ことをパーパスと捉え、

様々なチャネルから顧客のニーズを汲み取り、サプライヤーと共に課題解決をデザインしていく方針です。

今期は中期経営計画「-PROJECT ONE ver.1.0-」「-PROJECT ONE ver.2.0-」の最終年度にあたり、

これまでの施策(EC拡大、品揃え拡大、サプライチェーン基盤の構築、事業育成等)の総仕上げを行いつつ、次期中期経営計画の策定に注力する方針です。

このような状況を踏まえ、今期の連結業績予想は表2の数値の前期比 増収増益となっています。

なお、今2Q決算発表時には、中間期においての業績が計画を上回るペースで進捗していますが、2024年5月14日公表の業績予想は変更されていません

株価指標と動向

株価指標

【2025/1/7(火)終値時点の数値】

  • 株価:2,389円
  • 時価総額:1,905億円
  • PER(株価収益率(予想)):21.2倍

PERは、同業で時価総額が近い、アスクル(2678) 25.2倍、トラスコ中山(9830) 22.7倍と比較すると、高い水準です。

  • PBR(株価純資産倍率):2.61倍
  • 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):0.48倍
  • 年間配当金(1株当たり予想):57円(年2回 9月 28円、3月 29円)、利回り:2.38%(配当性向 50.6%)

配当利回り2.38%で、東証プライムの単純平均 2.47%(1/6時点)とほぼ同水準です。

表4のように、直近5年間の配当金は、年間1株当たり40~56円(2024年4月1日付の1/2株式分割換算)で推移しており、連続増配を継続中です。

配当性向は、50%台ほぼ一定です。

決算期1株当たり
年間配当金
[円]
配当性向
[%]
2020年3月期4050.1
2021年3月期40.350.2
2022年3月期48.550.3
2023年3月期55.550.7
2024年3月期5654.0
表4:アズワン 年間配当金推移

この会社は、

親会社株主に帰属する当期純利益より特別損益の影響を除いた額を基準として、基準額の50%を配当することを目標とする業績連動型の利益配分を行うことを配当政策の基本方針としています。

配当の回数は、毎年3月31日及び9月30日を基準日とする、年2回の配当を継続する方針です。

【株主優待】

この会社は株主優待があり、毎年9月末の年1回100株以上400株未満保有の株主は1,000円相当のクオカードが進呈されます。

400株以上1,000株未満の株主は、同社取扱商品の中から厳選100アイテムの中から3,000ポイント(1ポイント1円相当)の株主優待品を選べます。

(1,600株以上は6,000ポイント)

100株保有の場合、配当金+株主優待(1,000円相当)の利回りは2.80%となります。

個人投資家にとってうれしい内容ですね!

【直近の株価動向】

<週足チャート(直近2年間)>

2023年10月に安値(2,274円)をつけるまでは下落トレンドで推移していましたが、その後は上昇基調で推移し、翌年7月に高値(3,247円)をつけました。

そしてそれ以降は、高値切り下げ安値切り下げの下落トレンドで推移しており、直近ではすべての移動平均線を下抜けています。

<日足チャート(直近3か月間)>

10/9に高値(3,167円)をつけた後は、高値切り下げ安値切り下げの下落基調で推移しています。

そして、今回のPO発表の翌営業日(1/7)は、POによる短期的な需給悪化懸念により、窓を開けて出来高を伴い前日比 161.5円安(-6.33%)と急落しました。

ただ、昨年5月につけた年初来安値(2,305円)はかろうじて割り込んでいません

今後は、年初来安値を更新せず、ヨコヨコから上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索をするのか、要注目です。

まとめ

【業績】

  • 今期(2025年3月期)2Qの業績は、卸としてハブ機能を発揮できるビジネスを深掘りし、デジタル化・省人化を求める顧客の利便性を高め、更なる事業領域の拡大を推進し、
    前年同期比 増収増益で、売上高は1割増利益面は1割弱増
  • 今期業績予想は、主力のラボ・インダストリー部門では、半導体製造等の国内回帰により、クリーン環境を必要とする研究や生産現場の環境構築のための消耗品・計装機器・装置等の需要の増加を見込み、
    前期比 増収増益で、売上高、利益面ともに1割弱増
  • その通期予想に対する進捗率は2Q終了時点で、売上高、利益面ともに5割弱でそこそこ

【株主還元】

  • 配当利回り(予想)は2.38%(1/7時点)で、東証プライムの単純平均 2.47%(1/6時点)とほぼ同水準
  • 直近5年間の配当金は、年間1株あたり40~56(2024年4月1日付の1/2株式分割換算)で推移しており、連続増配を継続中
    配当性向は、50%台ほぼ一定
  • 会社の株主還元方針は、親会社株主に帰属する当期純利益より特別損益の影響を除いた額を基準として、基準額の50%を配当することを目標とする業績連動型の利益配分を行うとしている。
  • 株主優待があり、毎年9月末の年1回100株以上400株未満保有の株主は1,000円相当のクオカードが進呈される。
    400株以上1,600株未満の株主は、同社取扱商品の中から厳選100アイテムの中から3,000ポイント(1ポイント1円相当)、1,600株以上保有の場合、6,000ポイント
    100株保有の場合、配当金+株主優待(1,000円相当)利回りは2.80%となる。

【流動性・新株式の発行株数】

  • 今回の株式の売出数量(OA含む)は、発行済み株式総数の最大4.88%で、
    直近の株式の売出を含むPOの売出株数比率(OAを含む)(大成温調、寿スピリッツ、日産東京販売HD)と比較すると中間的な数量
  • 直近の出来高5日平均は4,124百株、25日平均は1,536百株(1/7時点)で、流動性はやや高い水準

【株価モメンタム】

  • 週足ベースの株価は、2023年10月に安値(2,274円)をつけるまでは下落トレンドで推移していましたが、その後は上昇基調で推移し、翌年7月に高値(3,247円)をつけた。
    そしてそれ以降は、高値切り下げ安値切り下げの下落トレンドで推移しており、直近ではすべての移動平均線を下抜けている。
  • 直近の株価は、10/9に高値(3,167円)をつけた後は、高値切り下げ安値切り下げの下落基調で推移している。
    そして、今回のPO発表の翌営業日(1/7)は、POによる短期的な需給悪化懸念により、窓を開けて出来高を伴い前日比161.5円安(-6.33%)と急落した。
    ただ、昨年5月につけた年初来安値(2,305円)はかろうじて割り込んでいない
  • 今後の株価は、年初来安値を更新せず、ヨコヨコから上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索をするのか要注目。

以上のことから、

レベル
(⭐(最低)~
⭐⭐⭐⭐⭐(最高))
業績⭐⭐
株主還元
(配当、株主優待等)
株価モメンタム⭐⭐
流動性⭐⭐
株式の売出数量⭐⭐
総合判定⭐⭐
(中立)
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」

と判断しました。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。

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