こんにちは!
直近で立会外分売を実施した銘柄に関して、立会外分売で買った場合、利益は出たのか?
分売日当日と分売後1週間後の結果を検証しました。
今回は、2024年11月に分売が実施されたトヨクモ、オカムラ食品工業、はごろもフーズです。
最後までお付き合いいただけると嬉しいです💖
分売値段とその後の株価推移
まずは、分売値段で買って1週間(5営業日)後まで保有した場合、含み益なのか含み損なのか?
確認していきましょう!
※売買手数料は考慮していません。
銘柄 | 分売日 | 分売 値段 [円] | ディス カウント 率[%] | 分売日 始値[円] (騰落率[%]) | 分売日 終値[円] (同) | 1週間後 の始値[円] (日付) | 損益[円] (騰落率 [%]) |
トヨクモ (4058) | 11/21 (木) | 1,813 | 3.00 | 1,907 (+5.2) | 1,990 (+9.8) | 1,853 (11/28) | +40 (+2.2) |
オカムラ 食品工業 (2938) | 11/22 (金) | 4,486 | 3.00 | 4,595 (+2.4) | 4,480 (-0.1) | 4,175 (11/29) | -311 (-6.9) |
はごろも フーズ (2831) | 11/22 (金) | 2,988 | 2.99 | 3,025 (+1.2) | 3,045 (+1.9) | 3,075 (11/29) | +87 (+2.9) |
分売日の寄付又は大引と1週間(5営業日)後の結果は、
トヨクモとはごろもフーズは、全ての段階で損益プラス、
オカムラ食品工業は分売日の寄付で売却した場合は損益プラスでしたが、分売日の大引や分売日1週間後(5営業日後)の寄付の場合は損益マイナス
でした。
特に、トヨクモは分売日の大引で売却した場合、9.8%の利益が出ています。
分売で購入し利益が出た方、おめでとうございます!
ちなみに私は、今回は購入無しでした。
それでは個別に見ていきましょう!
要因分析:トヨクモ(4058)
この会社の立会外分売実施前の評価は、表2のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐(最高)) | |
業績 | ⭐⭐⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐⭐⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐⭐ |
流動性 | ⭐⭐ |
分売数量 | ⭐⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐⭐ (中立) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」
今期(2024年12月期)3Qの業績は、売上⾼の増加率が上昇傾向を継続し、3Qのみでは四半期会計期間の売上⾼として初めて8億円を超え、利益面は⼈件費、広告費への投資により費⽤は増加したが計画通りに進捗し、
前期は非連結決算だったため単純比較はできませんが、前年同期比 増収増益で、売上高、利益面ともに3割弱増でした。
今期通期予想は、安否確認サービスの契約数が大幅に増加、 kintone 連携サービスも認知の広まったことから契約数が予想を上回って推移して、今3Q決算発表と同時に上方修正し、
こちらも単純比較はできませんが、前期比 増収増益で売上高は3割弱増、利益面は2~3割弱増を見込んでおり、
その通期予想に対する進捗率は3Q終了時点で、売上高は7割強でそこそこ、利益面は8割弱でそこそこでしたね。
株主還元は、配当利回り(予想)は0.75%(11/15時点) で、東証グロースの単純平均 0.81%と同水準でした。
直近5年間の配当金は、年間1株当たり0~10円で推移しており、2021年12月期に初配した後は連続増配を継続中の点は魅力的でしたね。
配当性向は、20%弱でほぼ一定です。
また、会社の配当方針は、期末当期純利益の20%程度の配当性向を基準として、株主への継続的な利益還元を実施するとしていました。
株価モメンタムは、2023年1月に上場来安値(1,071円)をつけた後は、ほぼ1,300~1,800円のレンジ内での推移でしたが、
今年8月の安値から急上昇し、10月に高値(2,310円)をつけました。
直近の株価は、10/1に年初来高値(2,310円)をつけるまでは、上昇基調で推移していたが、その後は調整していました。
そして、今回の立会外分売と今3Qの決算発表が11/13の取引時間中にあり、それを受けて、出来高を伴い大きな陰線をつけて、前日比 207円安(-9.71%)と急落しました。
この急落で、全ての移動平均線を下抜けましたね。
立会外分売発表後の株価は、節目の1,800円程度を割り込まず、ヨコヨコから上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索を継続するのか注目していましたが・・・。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】トヨクモ(4058) <2024年11月実施>
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月間)>
分売発表の翌営業日以降はしばらく安値を切り下げながら推移しましたが、節目の1,800円は割り込まず、
その後は、分売による需給悪化懸念が後退して上昇基調で推移しました。
そして直近(12/24)は、全ての移動平均線を上抜けしています。
要因分析:オカムラ食品工業(2938)
この会社の立会外分売実施前の評価は、表3のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐(最高)) | |
業績 | ⭐⭐⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐⭐⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐⭐ |
流動性 | ⭐⭐ |
分売数量 | ⭐⭐⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐⭐ (中立) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」
今期(2025年6月期)1Qの業績は、国内養殖は、2025年4-7月の水揚げに向けた中間養殖場における中間魚の生育は想定どおりに進捗。
また海外卸売事業では、東南アジア諸国の旺盛な経済需要を基に事業拡大傾向が継続と、いずれも順調に推移し、
前年同期比 増収増益で、売上高は2割増、利益面は営業利益と純利益は微増ですが、経常利益は1割減でした。
今期通期予想は、国内養殖量増による養殖事業売上の増加、市場規模拡大を背景にした海外卸売事業売上の増加を想定し、
前期比 増収増益で、売上高は1割増、利益面は微増~3割弱増を見込んでおり、
その通期予想に対する進捗率は1Q終了時点で、売上高は2割強でそこそこ、利益面は4割弱で順調でしたね。
株主還元は、配当利回り(予想)は0.89%(11/15時点) で、東証スタンダードの単純平均 2.55%と比較すると低い水準でした。
直近4年間の配当金は、年間1株当たり30.5~50円で推移しており、2023年6月期以降は連続増配を継続中の点は魅力的でしたね。
配当性向は、数%~10%台で低めです。
会社の配当方針は、安定した配当を継続して実施することを基本方針として位置づけ、株主資本配当率2%以上を目途に継続的・安定的な配当に努めるとしていました。
また、株主優待は2025年6月期は内容は未定でしたが、2025年6月期に前期並みに株主優待があった場合、200株保有の場合、配当金+株主優待(5,000円相当)で、利回りは2.06%となっていました。
株価モメンタムは、2023年9月に上場後、翌月に上場来安値(2,031円)をつけた後は、高値切り上げ安値切り上げの上昇トレンドで推移し、2024年10月に上場来高値(5,240円)をつけました。
直近の株価は、8/19に安値(3,640円)をつけた後は、高値切り上げ安値切り上げの上昇基調で推移し、10/7に上場来高値(5,240円)をつけました。
しかしその後は調整しており、今回の立会外分売と今1Q決算発表、株式分割を発表した翌営業日(11/15)は、出来高を伴い前日比 320円安(-7.28%)と急落しましたね。
立会外分売発表後の株価は、8月につけた安値(3,640円)を割り込まずにヨコヨコから上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索をするのか注目していましたが・・・。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】オカムラ食品工業(2938)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月間)>
分売発表翌営業日に大きく下落した反動で、その後は分売日(11/22)の前営業日まで勢いよく上昇しました。
しかしその後は失速し、分売日には分売値段(4,486円)を割り込む場面がありました。
そして、分売日の4営業日までは大きく下落し、それ以降も緩やかながら下落基調で推移しています。
要因分析:はごろもフーズ(2831)
この会社の立会外分売実施前の評価は、表4のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐(最高)) | |
業績 | ⭐⭐⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐⭐⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐⭐ |
流動性 | ⭐⭐ |
分売数量 | ⭐⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐⭐ (中立) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」
今期(2025年3月期)2Qの業績は、家庭用食品の販売は伸長、業務用食品の販売も、価格改定およびコンビニエンスストアや外食産業向けが伸長。
利益面では、売上総利益の増加と販売奨励金等の減少し、
前年同期比 増収増益で、売上高は微増、利益面は4割弱~6割弱増でした。
今期通期予想は、2Qの業績が売上高は新価格が定着したこと等により増加し、利益は、売上総利益の増加と販売奨励金等の減少により、今2Q決算発表の1週間前に上方修正し、
前期比 増収増益で、売上高は微増、利益面は1割強~3割弱増を見込んでおり、
その通期予想に対する進捗率は2Q終了時点で、売上高は5割程度でそこそこ、利益面は9割前後で順調でしたね。
株主還元は、配当利回り(予想)は1.90%(11/18時点) で、東証スタンダードの単純平均 2.56%と比較すると低い水準でした。
直近5年間の配当金は、年間1株当たり46~50円で推移しており、2021年3月期以降は50円で一定で、
配当性向は、最終赤字の年を除き10%台~20%台です。
また、株主優待があり、3月末と9月末の年2回、500株以上保有の株主に、継続保有期間3年未満の場合3,000円相当、3年以上の場合5,000円相当の様々な自社製品(缶詰、パスタ等)が進呈され、
500株を3年未満保有の場合、配当金+株主優待(3,000円×年2回=6,000円相当)で利回りは2.28%(3年以上保有の場合:2.53%)になっていました。
株価モメンタムは、2023年11月に急騰し、一旦は上場来高値(3,550円)をつけましたが、その後はすぐに元の値に戻り、
そしてその後は、2024年8月に一時的に急落し安値(2,850円)をつけましたが、それ以外は3,150~3,400円のレンジ内で推移していました。
直近の株価は、9/26に高値(3,385円)をつけた後は下落基調で推移し、10/11に安値(3,140円)をつけました。
その後は上下動を繰り返しながら、ほぼヨコヨコで推移し、今回の立会外分売発表の翌営業日(11/18)は、それほど反応はなく前日比 30円安(-0.94%)しましたね。
立会外分売発表後の株価は、節目の3,100円や3,000円を下抜けず、ヨコヨコから上昇に転じていくのか、下抜けて下値模索をするのか注目していましたが・・・。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】はごろもフーズ(2831) <2024年11月実施>
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月間)>
分売発表翌営業日以降も下落基調が続きましたが、節目の3,000円は割り込まず、分売日(11/22)には底をついて、
それ以降は分売による需給悪化懸念が後退し上昇基調で推移しています。
まとめ
トヨクモ(4058)、オカムラ食品工業(2938)、はごろもフーズ(2831)の立会外分売の事前予想と1週間(5営業日)後の株価は、表5の結果になりました。
銘柄名 | 事前 予想 | 結果(損益)[円] (「5営業日後始値」 ー「分売値段」) (騰落率[%]) | 判定 |
トヨクモ | 中立 | +40 (+2.2) | 〇 |
オカムラ 食品工業 | 中立 | -311 (-6.9) | × |
はごろも フーズ | 中立 | +87 (+2.9) | 〇 |
※事前予想の「買い」は3%以上の上昇、「中立」は±3%、「不参加」は3%以上の下落を想定しています。
今回は2勝1敗、勝率0.667。まあまあでした。
トヨクモとはごろもフーズは分売日前に株価が大きく下落し、分売日又は分売日1週間後には短期的な需給悪化懸念が後退し、その後は上昇に転じました。
一方、オカムラ食品工業は、分売日までは上昇基調だったのですが、それ以降は下落基調で推移しました。
分売発表前も25日移動平均線が下向きで、その流れを引き継いで下落基調に戻っていったと言えるかもしれません。
今後の個別動向ですが、
トヨクモは、株価は全ての移動平均線の上に浮上してきて好調です。
業績も好調ですので、さらなる業績の上振れが見通せれば、更なる上昇が期待できそうです。
オカムラ食品工業は、分売日以降、緩やかですが下落基調です。
ただ、2025年6月末の株主優待の実施が確定すれば、上昇に転じてきそうです。
はごろもフーズは、きれいな右肩上がりの上昇基調が継続しています。
75日移動平均線も上抜ければ、一段上の株価が目指せそうです。
参考になればうれしいです✨
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。