こんにちは!
直近で立会外分売を実施した銘柄に関して、立会外分売で買った場合、利益は出たのか?
分売日当日と分売後1週間後の結果を検証しました。
今回は、2024年11月に分売が実施された佐藤食品工業、かんなん丸、イオン九州です。
最後までお付き合いいただけると嬉しいです💖
分売値段とその後の株価推移
まずは、分売値段で買って1週間(5営業日)後まで保有した場合、含み益なのか含み損なのか?
確認していきましょう!
※売買手数料は考慮していません。
銘柄 | 分売日 | 分売 値段 [円] | ディス カウント 率[%] | 分売日 始値[円] (騰落率[%]) | 分売日 終値[円] (同) | 1週間後 の始値[円] (日付) | 損益[円] (騰落率 [%]) |
佐藤食品工業 (2814) | 11/19 (火) | 1,844 | 2.95 | 1,885 (+2.2) | 1,878 (+1.8) | 2,220 (11/26) | +376 (+20.4) |
かんなん丸 (7585) | 11/20 (水) | 428 | 3.17 | 430 (+0.5) | 429 (+0.2) | 437 (11/27) | +9 (+2.1) |
イオン九州 (2653) | 11/21 (木) | 2,618 | 2.98 | 2,618 (±0) | 2,613 (-0.2) | 2,619 (11/28) | +1 (+0.0) |
分売日の寄付又は大引と1週間(5営業日)後の結果は、
佐藤食品工業とかんなん丸は、全ての段階で損益プラス、
イオン九州は分売日の寄付で売却した場合は損益トントンでしたが、分売日の大引の場合は損益マイナス、分売日1週間後(5営業日後)の寄付の場合は損益プラス
でした。
特に、佐藤食品工業は分売日1週間後(5営業日後)の寄付で売却した場合、20%の利益が出ています。
分売で購入し利益が出た方、おめでとうございます!
ちなみに私は、今回は購入無しでした。
それでは個別に見ていきましょう!
要因分析:佐藤食品工業(2814)
この会社の立会外分売実施前の評価は、表2のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐(最高)) | |
業績 | ⭐⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐⭐⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐⭐ |
流動性 | ⭐ |
分売数量 | ⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐⭐ (中立) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」
今期(2025年3月期)2Qの業績は、売上実績は、主力の茶エキスを中心に堅調に推移し、利益面は売上原価の増加により、
前年同期比 増収減益で、売上高は1割弱増、利益面は営業利益と経常利益は微減ですが、当期純利益は微増でした。
今期通期予想は、創業以来培ってきた「天然風味の粉末化」技術を応用し、付加価値の高い製品開発に注力していく方針で、
前期比 増収減益で、売上高は微増、利益面は1割弱~3割強減を見込んでおり、
その通期予想に対する進捗率は2Q終了時点で、売上高は5割でそこそこ、利益面は5割前後でそこそこでしたね。
株主還元は、配当利回り(予想)は2.00%(11/11時点) で、東証スタンダードの単純平均 2.51%(11/8時点) と比較すると低い水準でした。
直近5年間の配当金は、年間1株当たり30~40円で推移しており、前期から増配又は同額の累進配当を継続中の点は魅力的でしたね。
配当性向は、10%台~60%台で推移しており、業績によってばらつきがありました。
また、株主優待があり、毎年3月末に100株以上保有の株主は、500円相当の自社製品(粉末茶エキス等)(500株以上は1,000円、1,000株以上は3,000円相当)が進呈され、
100株保有の場合、配当金+株主優待(500円相当)で利回りは2.25%になっていました。
株価モメンタムは、2022年11月に安値(1,571円)をつけた後は、高値切り上げ安値切り上げの上昇トレンドで推移し、2024年6月に高値(2,200円)をつけました。
直近の株価は、9/3に高値(2,134円)をつけた後は、高値切り下げ安値切り下げの下落基調で推移しました。
そして、今回の立会外分売発表の翌営業日(11/11)は、分売による短期的な需給悪化を懸念され、前日比 46円安(-2.25%)で終了し、この日の安値で直近の安値を更新しました。
立会外分売発表後の株価は、8月につけた安値(1,954円)を割り込まず、ヨコヨコから上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索を継続するのか注目していましたが・・・。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】佐藤食品工業(2814) <2024年11月実施>
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月間)>
分売日(11/19)の前営業日に、窓を開けて下落し、8月につけた安値(1,954円)を割り込みました。
その後も、分売による需給悪化懸念が解消しなかったのですが、
分売日の3営業日後の引け後に、株主優待の拡充が発表され、翌営業日(11/25)に窓を開けて出来高を伴い急騰しています。
結局この恩恵で、分売で買って分売日の1週間後の寄付きで売却した場合は+20.4%の利益が出ました。
ただその日のうちに、大きな陰線をつけて値を戻しています。
要因分析:かんなん丸(7585)
この会社の立会外分売実施前の評価は、表3のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐(最高)) | |
業績 | ⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐⭐⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐⭐ |
流動性 | ⭐⭐ |
分売数量 | ⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐⭐ (中立) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」
今期(2025年6月期)1Qの業績は、居酒屋業態において、改めて創業の理念への原点回帰を基に、各業態における強みを磨くことを徹底し、顧客の期待を超える体験価値を提供できるチーム力の向上に取り組み、
前年同期比で売上高は2割強増、利益面は赤字幅縮小でした。
今期通期予想は、様々なコスト上昇に対応するためにも、付加価値の高い商品の開発を強化し、顧客が納得する価格政策により、顧客に選ばれ続ける店づくりを実施していく方針で、
前期比で、売上高は2割弱増、利益面は黒字転換を見込んでおり、
その通期予想に対する進捗率は1Q終了時点で、売上高は2割強でそこそこ、利益面は赤字からの挽回が必要でしたね。
また、連続最終赤字が継続しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が継続している状況で、この点は懸念材料でした。
株主還元は、配当予想は無配で、連続最終赤字の中、致し方ないと判断しました。
直近5年間の配当金は、年間1株当たり0~6円で推移していました。
また、株主優待があり、12 月末及び6月末の年2回、100株以上保有の株主に対して同社飲食券又はジェフグルメカードのどちらかが保有株数に応じて進呈され、
100株保有の場合、株主優待(同社飲食券2,000円相当×2=4,000円相当)で利回りは8.24%になっている点は、個人投資家にとってうれしい内容でしたね。
株価モメンタムは、400円前後のヨコヨコで推移していましたが、2023年9月に急騰し高値(919円)をつました。
しかしその後はすぐに急落し、直近では500円前後で推移しました。
直近の株価は、8月に急騰して高値(549円)をつけた後は、510円前後のヨコヨコで推移しましたが、
今回の立会外分売発表の翌営業日(11/13)は、分売による短期的な需給悪化懸念により、窓を開けて売られ、前日比 22円安(-4.34%)と急落しましたね。
立会外分売発表後の株価は、今年8月につけた安値(374円)を割り込まずに、ヨコヨコから上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索を継続するのか注目していましたが・・・。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】かんなん丸(7585)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月間)>
株価は分売発表翌営業日以降も急下降しましたが、分売日(11/20)に分売値段(428円)を割り込まずに下げ止まり、
それ以降は右肩上がりの上昇基調が継続しており、25日移動平均線(赤線)を上抜いてきています。
要因分析:イオン九州(2653)
この会社の立会外分売実施前の評価は、表4のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐(最高)) | |
業績 | ⭐⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐⭐⭐⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐⭐ |
流動性 | ⭐⭐ |
分売数量 | ⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐⭐ (中立) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」
今期(2025年2月期)2Qの業績は、売上高は、店舗数の増加に加えて、売上構成比の高い食料品の売上が堅調に推移しましたが、
販売費及び一般管理費は、今後の成長に向けた先行投資に伴う減価償却費の増加に加え、人件費の増加が影響し、
前年同期比 増収減益で、営業収益は微増、利益面は5割弱減でした。
今期通期予想は、新フォーマット「ウエルシアプラス」、都市部における小型SM「マックスバリュエクスプレス」の出店を加速するほか、既存店の活性化投資を計画的に推進し、
前期比 増収増益で、営業収益は微増、利益面は営業利益と経常利益は微増ですが、純利益は3割弱減を見込んでおり、
その通期予想に対する進捗率は2Q終了時点で、営業収益は5割でそこそこ、利益面は3割弱~4割で遅れ気味でしたね。
株主還元は、配当利回り(予想)は1.54%(11/15時点) で、東証スタンダードの単純平均 2.55%(11/14時点) と比較すると低い水準でした。
直近5年間の配当金は、年間1株当たり10~50円で推移しており、連続増配を継続中の点は魅力的でしたね。
配当性向は、20%台~60%台で推移しており、業績によってばらつきがありました。
また、株主優待があり、毎年8月末と2月末の年2回、100株以上保有の株主は、全国のイオン系列店で使用可能な株主優待券(100円券 50枚)とイオンラウンジカード(2月末の年1回)の2点が進呈され、
100株保有の場合、配当金+株主優待(優待券50枚(5,000円相当)×年2回=10,000円相当)で利回りは4.96%になっていました。
株価モメンタムは、2023年2月に安値(2,237円)をつけた後は、しばらく2,400円前後で推移していましたが、2024年に入り急上昇し、同年2月に上場来高値(3,545円)をつけました。
しかしその後は調整していました。
直近の株価は、8/28に高値(3,145円)をつけた後は、配当と株主優待の権利落ちで急速に下落し、9/9に安値(2,828円)をつけました。
しかしその後は、高値切り上げ安値切り上げの上昇基調で推移し、
今回の立会外分売発表の翌営業日(11/15)は、分売による短期的な需給悪化懸念により、窓を開けて出来高を伴い前日比 70円安(-2.34%)と急落しました。
立会外分売発表後の株価は、直近の安値(2,828円)を下抜けずに、ヨコヨコから上昇に転じるのか、下抜けて下値模索を継続するのか注目していましたが・・・。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】イオン九州(2653)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月間)>
この銘柄も、分売日(11/21)までは分売による短期的な需給悪化懸念により、急速に下落しましたが、
分売日以降は需給悪化懸念が後退して下げ止まり、しばらくヨコヨコの後、12月に入ってからは上昇基調で推移しています。
まとめ
佐藤食品工業(2814)、かんなん丸(7585)、イオン九州(2653)の立会外分売の事前予想と1週間(5営業日)後の株価は、表5の結果になりました。
銘柄名 | 事前 予想 | 結果(損益)[円] (「5営業日後始値」 ー「分売値段」) (騰落率[%]) | 判定 |
佐藤食品工業 | 中立 | +376 (+20.4) | × |
かんなん丸 | 中立 | +9 (+2.1) | 〇 |
イオン九州 | 中立 | +1 (+0.0) | 〇 |
※事前予想の「買い」は3%以上の上昇、「中立」は±3%、「不参加」は3%以上の下落を想定しています。
今回は2勝1敗、勝率0.667。まあまあでした。
かんなん丸とイオン九州は分売日前に株価が大きく下落しましたが、分売日には短期的な需給悪化懸念が後退し、その後は上昇に転じました。
佐藤食品工業は、分売日以降も下落基調だったのですが、分売日直後に株主優待の拡充という好材料が出て思わぬ大幅上昇となりました。
保有期間が長いと悪材料もそうですが、思わぬところで急上昇や急落がありますね。
こういう点も、株式投資の醍醐味と言えそうです。
今後の個別動向ですが、
佐藤食品工業は、上述した通り分売後、株主優待の拡充を発表しており、変更前は毎年3月末に100株以上500株未満保有の場合、500円相当の同社製品だったのですが、
変更後は、タリーズデジタルギフト(タリーズコーヒー店舗にて使用可能)2,000円分の進呈になりました。
金額にして4倍になっていますので、大きな拡充となっています。
今後の株価は、株主優待目当ての買いが続き、まだまだ上昇余地がありそうです。
かんなん丸は、分売日以降、緩やかですが上昇基調が継続しています。
12月末の株主優待権利取りもあり、業績の回復が鮮明になれば、今後の更なる上昇に期待です。
イオン九州は、分売日以降、押し目をつけながら上昇基調で推移しています。
2月末権利の株主優待取りに向けて、しばらく上昇基調で推移しそうです。
参考になればうれしいです✨
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。