不動産投資において、資金調達のカギとなるのが「借入可能額」です。
これは、金融機関が投資家に貸し出すことのできる金額を指し、投資戦略の規模や収益性に大きな影響を与えます。しかし、借入可能額は単に希望する金額ではなく、投資家の年収、信用情報、物件の評価額などさまざまな要素に基づいて決定されます。
この記事では、借入可能額を左右する主な要因や、適切な借入額を見極めるためのポイント、さらにリスクを抑えつつ最大限の収益を得るための資金管理方法について詳しく解説していきます。不動産投資を成功に導くための基礎知識をしっかり押さえ、安定した投資計画を立てましょう。
さらに、不動産投資ローンを有利に使いたいとお考えの方は、こちらの記事も参考にしてみてください!
→不動産投資ローン低い金利で借りるためには?高い時は借り換えも検討
不動産投資のバイブル
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借入可能額が決まる項目①年収②勤め先の企業規模③与信力④不動産の収益性⑤自己資金
1、不動産投資のローンの借入可能額について
不動産投資ローンは、他のローンとどのような違いがあるのでしょうか。
(1)不動産投資ローンとは?
不動産投資ローンとは、不動産投資で収益を得るために組むローンのことです。
ローンと言えば、住宅ローンのイメージを持つ方もいらっしゃると思いますが、不動産投資ローンと住宅ローンでは、審査内容や借入可能額などが違います。
住宅ローンの融資金額は、大体個人の年収の5~8倍が上限ですが、不動産投資ローンの融資金額は、年収の10~20倍が上限になることもあります。
つまり、不動産投資ローンは、不動産投資という事業を始めるために融資をしてもらうという、よりビジネス的なローンと言えるでしょう。
不動産投資ローンを組むことによって、自らの投資金額は最小限に抑え、大きな利益を得ることが可能になります。
(2)金融機関によって不動産投資ローンの借入可能額は変動する
金融機関の多くは、不動産投資ローンの利用基準を年収700万円としています。
年収によっては応じてくれないこともあるので、あらかじめローンを組む金融機関を絞っておくことをおすすめします。
以下は、ある程度の年収と金融機関の目安です。
年収1,000万円以上 |
メガバンク |
年収500万~1,000万円 |
地方銀行、信用銀行 |
年収500万円以下 |
日本政策金融公庫、ノンバンク、ネット銀行 |
本項では、それぞれの金融機関の特徴について紹介します。
①メガバンク
大手銀行では、優遇金利など低金利での借り入れが期待できる点でおすすめです。
しかし、大手銀行の融資審査基準は非常に厳しくなっているため、年収1,000万円以下の方は厳しい傾向にあります。
②地方銀行
地方銀行では、独自の基準で審査を行うため、ご自身の利用する銀行を確認してください。
大手金融機関で融資が通らなかった人でも、地方銀行でなら融資を受けられる可能性があります。
③信用金庫
信用金庫の融資審査は、比較的緩い傾向にあります。
信用金庫の場合は、融資可能なエリアが限定されているので、融資条件をしっかりご確認ください。
④日本政策金融公庫
日本政策金融公庫では、年収が低い人や非正規雇用者でも融資を受けられます。女性や若年層、高齢者への優遇措置があることも特徴です。
ただし、日本政策金融公庫は、中小企業の支援や社会的弱者の支援を目的とする政府の金融機関なので、不動産投資目的では借入が出来ないことに注意が必要です。
不動産投資を行う目的で日本政策金融公庫の融資を受ける場合、審査の時は「不動産賃貸業」として借り入れすることになります。
⑤ノンバンク
ノンバンクは、審査が比較的緩く、最短3日で融資を受けられ、使用用途も問われないので、借り入れしやすいことが特徴です。
ただし、金利が高めであることや、中途解約の際に解約金が発生することにご注意ください。
⑥ネット銀行
ネット銀行は、融資審査や契約手続きがインターネット上で完了できるので、忙しい方や外出が難しい方には最適です。
年収500万円以下の方でも融資を受けられたり、店舗に行かなくても契約できたりするので、これから不動産投資を始める方に多く利用されている傾向にあります。
ただし、大手銀行や地方銀行、信用金庫等と比較すると、ネット銀行の融資は金利が高めであることが注意点です。
2、不動産投資ローンの借入可能額は4つの項目で決まる
不動産投資ローンについてご理解頂いた次に気になるのは、どのようにして不動産投資ローンの借入可能額が決まるかということではないでしょうか。
第2章では、借入可能額が決まる4つの項目についてご紹介します。
(1)借入可能額が決まる項目①年収
融資の申し込みをする方の年収が高いほど、返済能力が高いと判断され、借入可能額も増えます。
また、年収だけでなく貯金等の保有資産が多いかどうかも、不動産投資ローンの借入可能額に影響を与えます。
年収が高く、貯金等の保有資産が多い人ほど借入可能額は増え、審査でも有利になりやすいです。
(2)借入可能額が決まる項目②勤め先の企業規模
属性として、勤め先の企業規模も審査の対象となります。
上場企業社員や、公務員などは収入も高く、離職率も低めなので審査では有利にはたらくでしょう。
企業の規模だけではなく、勤続年数も見られる場合があります。勤続年数が長い程、安定性があると判断されるため、審査で有利になる傾向にあります。
(3)借入可能額が決まる項目③与信力
ローンやクレジットカードの支払い、スマホの料金の滞納がないかなどの確認をされることが多くなっています。
滞納の履歴があり、信用情報に懸念点があれば審査で不利になり、借入可能額が下がる可能性が高いでしょう。
現在組んでいるローンが多い方も、借入可能額が低くなってしまうことがあります。
(4)借入可能額が決まる項目④不動産の収益性
不動産投資ローンでは、契約者の年収だけでなく、投資用物件の収益性も借入可能額に影響を与えます。
収益性が高ければ、家賃収入によってローンの返済が見込めるので借入可能額は増えやすいでしょう。
3、借入可能額のシミュレーション
これまで、不動産投資ローンのこと、借入可能額が決まる4つの項目をお伝えしてきました。
ご自身が実際に借入可能額はいくらなのかについて、気になるところではないでしょうか。
第3章では年収ごとに考えられる借入可能額のシミュレーションを紹介したうえで、より具体的にご自身の借入可能額をご確認いただけるシミュレーションサイトをご紹介します。
(1)【年収別】借入可能額のシミュレーション
第2章で、不動産投資ローンの借入可能額が決まる4つの項目をご紹介しましたが、やはり大きく関係するのは「年収」です。
年収別に借入可能額のシミュレーションをしてみましょう。
①年収1000万円の場合
他に借入がなく年収が1,000万円であれば、8,000万円から1億円などの高額な借入が可能です。
②年収500万円の場合
他に借入がなく年収が500万円の場合は、4,000万円から7,500万円くらいが借入可能額の目安です。
年収500万円でも高額な借入が可能ですが、他にローンを組んでいる場合借入可能額はもう少し低くなる可能性があります。
③年収300万円の場合
不動産投資ローンの利用が難しいです。ほとんどの場合、不動産投資ローンを組むには年収500万円以上であることが求められます。
(2)借入可能額を計算してみよう
現在の自分の借入可能額を実際にシミュレーションしてみたい方は、以下のようなサイトをご活用ください。
借入可能額をシミュレーションしてみる
4、不動産投資ローンにおける借入可能額を増やす方法
実際に借りられる借入可能額がわかったところで、なかなか思ったより借りられないなと感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は、借入可能額は「2、不動産投資ローンの借入可能額は4つの項目で決まる」でお伝えした項目を参考に、増やすことも可能です。
第4章では借入可能額を増やすための3選をお伝えします。
(1)借入可能額を増やす方法①年収を上げる
不動産投資ローンの借入可能額を増やすためには、1番大きく影響を受ける年収を上げることが確実です。
非上場企業から上場企業に転職したり、年収を100万円上げることができれば、借入可能額もまた1つ上の額で借りることができるでしょう。
ただ、転職を考えている場合、転職後すぐは前職よりも年収が下がってしまう場合があるので注意が必要です。
(2)借入可能額を増やす方法②勤続年数を増やす
「2、(2)借入可能額が決まる項目②勤め先の企業規模」で述べたように、勤続年数も不動産投資ローンの審査対象となるケースがあります。
上場企業にいる場合は、勤続年数を増やし、給料をあげてから不動産投資ローンを利用すると借入可能額が大きくなるかもしれません。
(3)借入可能額を増やす方法③資産を作る
自己資金が多ければ、年収がそこまで高くなくても返済能力があるとみなされ、借入可能額を増やせる可能性があります。
資金があることをアピールできれば、審査で有利にはたらくでしょう。
素晴らしいタイトルですね!「不動産投資ローンの借入限度額はこう決まる!増額のポイントも紹介」に基づいて、Q&A形式の内容を作成しました。以下をご覧ください。
不動産投資ローンの借入限度額と増額のポイントQ&A
Q1: 不動産投資ローンの借入限度額はどうやって決まりますか?
不動産投資ローンの借入限度額は、以下の要素を基にして決定されます。
【年収】一般的に、年収の5倍〜10倍が目安となります。収入が多いほど高い限度額が期待できます。
【自己資金】自己資金が多いほど、銀行は投資家の信用力が高いとみなし、限度額が増える可能性があります。
【不動産の評価額】借入対象の不動産が銀行から高く評価されるほど、借入限度額が大きくなる傾向があります。
【信用情報】 他のローンの返済履歴やクレジットカードの使用状況など、金融機関は信用情報を重視します。信用が高いほど、借入限度額にプラスの影響を与えます。
Q2: 自己資金が少なくてもローンを組むことは可能ですか?
自己資金が少ない場合でも、ローンを組むことは可能ですが、借入限度額が制限される場合があります。
物件の収益性や将来的な資産価値が高いと判断された場合、金融機関が融資に積極的になることもありますが、通常は多くの自己資金がある方が有利です。
Q3: 借入限度額を増額するためのポイントはありますか?
はい、以下のポイントが借入限度額の増額に役立つことがあります。
【年収の向上】
本業や副業で収入を増やすことで、限度額を引き上げることが可能です。
【複数の金融機関に相談する】
各銀行や金融機関の基準は異なるため、複数の金融機関に相談することで、より高い借入限度額を提示してくれるところを見つけることができます。
【自己資金の増額】
自己資金が多いほど、金融機関はリスクが低いとみなして、借入限度額を増やす傾向にあります。
【資産価値の高い物件を選ぶ】
将来的に値上がりが期待されるエリアや物件を選ぶことで、融資を受けやすくなる可能性があります。
【信頼のある借入実績を作る】
過去に問題なくローンを返済している実績があれば、金融機関からの信頼度が上がり、借入額を増やせる可能性があります。
Q4: 物件の種類によって借入限度額に違いはありますか?
はい、物件の種類によって借入限度額は異なります。例えば、新築物件は金融機関に高く評価されやすく、借入限度額が上がる可能性があります。逆に、築年数が経過している中古物件やリスクの高いエリアの物件は評価が低くなり、限度額が抑えられる傾向があります。
Q5: どのようなタイミングで借入限度額が再評価されることがありますか?
一般的に、借入限度額の再評価は以下のようなタイミングで行われることがあります。
収入が大幅に増えた時、例えば、昇進や副業による収入アップで再評価の対象になることがあります。
新たに資産を取得した時、他の不動産や資産を新たに購入した場合、その資産価値に基づいて限度額が見直されることがあります。
ローン返済の実績が良好な時、既存のローン返済が順調に進んでいる場合、信用力が上がり、限度額が再評価されることがあります。
Q6: 借入限度額が決まった後、追加で資金が必要な場合はどうすればいいですか?
追加資金が必要な場合、以下の方法が考えられます。
既存の不動産の評価額が上がっている場合、追加融資を受けられる可能性があります。リファイナンスで既存のローンをより有利な条件に借り換えることで、余裕資金を確保することも検討できます。
また、 他の金融機関で新たにローンを組むことで、必要な資金を確保することが可能です。
まとめ
今回は、不動産投資ローンにおける借入可能額について紹介しました。
借入可能額は年収や勤務先など複数の要素から決まること、借入可能額は増やすことも可能であることをご理解いただけたのではないでしょうか。
この記事を通して、ご自身に合った最適の借入可能額を知っていただけたら幸いです。
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