こんにちは!
2024年11月権利確定のJ-REIT(全8銘柄)をピックアップし、その中で分配金利回り(2024年10月29日終値時点)が高い上位3銘柄を算出。
さらに、分配金の安定度、投資口価格モメンタムや流動性の高さなども加味して、どのJ-REITが買いなのか総合的に分析しました。
最後までお付き合いいただけるとうれしいです!
【J-REITの簡単な説明】
投資信託の仲間であり、我々投資家は、東京証券取引所でJ-REIT(不動産投資法人)商品を購入し、J-REITが、商業施設やホテル、住宅などの不動産を保有・運営してその家賃収入や売却益を得て、その収益の中から分配金として投資家に配分されるもの。
J-REITは全体的に、高分配の銘柄が多く存在します。そして、分配月もばらけていますので、複数のJ-REITを保有すると分散投資にもなりますし、ほぼ毎月分配金をいただける嬉しい状況になります。
それでは行ってみましょう!
TOP3:アクティビア・プロパティーズ投資法人(3279)
【特徴】
- 東急不動産がスポンサーの、都市型商業施設と東京のオフィスビルに重点投資をしているJ-REIT。
- 中長期的な安定成長を実現するため、同資産運用会社の独自のノウハウとネットワークを用いることに加えて、包括的なサポート体制を通じた東急不動産ホールディングスグループのバリューチェーンを最大限活用することで、競争力の高い資産を取得し資産規模の拡大(外部成長)を図るとともに、
運用資産の競争力を最大限に引き出す運営・管理により、資産の収益性の向上(内部成長)を目指している。 - 利害関係者との取引における利益相反対策、投資主と東急不動産との利益の共同化手法や1口当たり分配金に連動する運用報酬を含む運用報酬体系を講じて、
投資主価値の最大化に向けたガバナンス体制の整備・充実を図っている。
【保有資産】
ポートフォリオの合計(2024年5月31日現在)
物件数:45件、取得価格:5,418億円、月次稼働率(2024年8月31日現在)99.2%
ポートフォリオの分散状況:(2024年5月31日現在)
<アセットタイプ比率>
- 都市型商業施設 28.6%
- 東京オフィス(オフィス集積があるエリアの駅至近に位置する物件) 52.3%
- アクティビア・アカウント(個別物件の特性及び競争力等を見極めた厳選投資による物件) 19.1%
<地域別比率>
- 東京都心6区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区、文京区) 68.7%
- その他東京23区 1.8%
- 三大都市圏(首都圏、近畿圏、中京圏) 27.6%
- その他国内主要都市 1.9%
【投資口価格動向・分配金推移】
<2024年10月29日(火)終値時点>
- 投資口価格(1口当たり):327,500円
- 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):38.2倍
- 年間分配金(法人予想):18,000円(2024年11月 9,300円、2025年5月 8,700円)、利回り:5.50%
直近5営業期間の分配金は、表1のように、1口当たり9,300~9,875円で推移しており、上下の500円程度の差があります。
決算期 | 1口当たり 分配金(円) |
2022年5月期 | 9,510 |
2022年11月期 | 9,300 |
2023年5月期 | 9,875 |
2023年11月期 | 9,611 |
2024年5月期 | 9,365 |
【直近の投資口価格推移】
<週足チャート(直近2年間)>
2022年11月に高値(446,000円)をつけた後は、しばらく390,000~420,000円のレンジ内での推移でしたが、
2024年4月頃から下落基調で推移し、直近の2024年10月に安値(323,000円)をつけています。
<日足チャート(直近3か月間)>
7/31に高値(357,000円)をつけた後は、高値切り下げ安値切り下げの下落基調で推移し、9/13と17に年初来安値(323,000円)をつけました。
その後は、ほぼヨコヨコで推移し、10/28に再度年初来安値をつけましたが、その安値は割り込んでいません。
TOP2:ユナイテッド・アーバン投資法人(8960)
特徴】
- 総合商社 丸紅がスポンサーで、主として商業施設、オフィスビル、ホテル、住居、その他の用途の不動産に対して投資する総合型J-REIT
- 投資対象不動産の取得に当たり、中長期にわたり安定収益の確保を図ることが目標。
そのため、投資対象不動産の用途及び投資地域の双方において、その時々の経済情勢・不動産市場動向等に応じた最適なポートフォリオの構築を目指し、各種リスクの軽減を図った資産運用を行っている。 - 地域分散投資を行うことにより、特定地域の自然災害等のリスクの低減を図り、安定した収益の確保を目指しており、
首都圏並びに政令指定都市をはじめとする全国の主要都市及びそれぞれの周辺部の不動産に対して投資を行っている。
【保有資産】
ポートフォリオの合計(2024年9月30日現在)
物件数:140件、取得価格:7,031億円、稼働率(2024年9月末日現在)99.1%
ポートフォリオの分散状況:
<アセットタイプ比率>
- 商業施設 29.8%
- オフィスビル 29.4%
- ホテル 23.6%
- 住居 7.4%
- その他 9.8%
<地域別比率>
- 東京都心6区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区、文京区) 21.3%
- 東京23区 6.8%
- 首都圏地域 30.8%
- 地方 41.2%
【投資口価格動向・分配金推移】
<2024年10月29日(金)終値時点>
- 投資口価格(1口当たり):136,300円
- 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):365倍
- 年間分配金(法人予想):7,510円(2024年11月 3,830円、2024年11月 3,680円)、利回り:5.51%
直近5営業期間の分配金は、表3のようになっており、3,112~3,629円で推移しており、連続増配を継続中です。
決算期 | 1口当たり 分配金 [円] |
2022年5月期 | 3,112 |
2022年11月期 | 3,144 |
2023年5月期 | 3,229 |
2023年11月期 | 3,371 |
2024年5月期 | 3,629 |
【直近の投資口価格推移】
<週足チャート(直近2年間)>
2023年9月に高値(161,100円)をつけるまでは140,000~160,000円のレンジ内で推移していましたが、
その後は高値切り下げ安値切り下げの下落トレンドで推移し、2024年8月に安値(131,300円)をつけています。
<日足チャート(直近3か月間)>
8/5に年初来安値(131,300円)をつけた後は急速に上昇し、8/28に高値(148,400円)をつけました。
しかしその後は、高値切り下げ安値切り下げの下落基調で推移しています。
TOP1:平和不動産リート投資法人(8966)
【特徴】
- 東京都区部を中心に中規模オフィスとシングル・コンパクトタイプのレジデンスへの投資・運用を行っているJ-REIT
- 基本理念である「運用資産の着実な成長」と「中長期的な安定収益の確保」を着実に遂行し、投資主価値の最大化に向けて取り組んでいる。
- 厳格な投資基準に基づき、多数の物件へ投資することで、ポートフォリオの分散を図り、収益変動リスクを極小化している。
【保有資産】
ポートフォリオの合計(2024年10月1日現在)
物件数:128件、取得価格:2,376億円、稼働率(2024年9月30日現在)97.6%
ポートフォリオの分散状況:(2024年5月31日現在)
<アセットタイプ比率>
- オフィス 50.2%
- レジデンス 49.8%
- その他 0%
<地域別比率>
- 都心5区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区) 33.9%
- 東京23区 28.3%
- 首都圏 11.6%
- その他地域 26.2%
【投資口価格動向・分配金推移】
<2024年10月29日(火)終値時点>
- 投資口価格(1口当たり):122,900円
- 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):1,499倍
- 年間分配金(法人予想):6,890円(2024年11月 3,440円、2025年5月 3,450円)、利回り:5.61%
直近5営業期間の分配金は、表3のように、1口当たり3,050~3,380円で推移しており、連続増配を継続中です。
決算期 | 1口当たり 分配金 [円] |
2022年5月期 | 3,050 |
2022年11月期 | 3,130 |
2023年5月期 | 3,160 |
2023年11月期 | 3,300 |
2024年5月期 | 3,380 |
【直近の投資口価格推移】
<週足チャート(直近2年間)>
2023年5月に高値(164,200円)をつけた後は、高値切り下げ安値切り下げの下落トレンドで推移し、
直近の2024年10月に安値(121,500円)をつけています。
<日足チャート(直近3か月間)>
8/29に高値(135,500円)をつけるまでは上昇基調で推移していましたが、
それ以降は高値切り下げ安値切り下げの下落基調で推移しています。
まとめ
2024年11月権利確定J-REITをまとめると・・・
TOP | 法人名 | アセット タイプ | 地域分散 | 資産 規模 | 投資口 価格 モメンタム | 流動性 | 投資主 優待 | 分配金の 安定度/ 連続増配 | 分配金 利回り[%] |
1 | 平和不動産リート (8966) | オフィス、住宅 | 東京中心 | 中 | × | 〇 | × | 〇 | 5.61 |
2 | ユナイテッド・アーバン (8960) | 総合 | 全国主要都市 | 中 | △ | 〇 | × | 〇 | 5.51 |
3 | アクティビア・プロパティーズ (3279) | オフィス、商業施設 | 首都圏+ 三大都市圏 | 中 | × | △ | × | △ | 5.50 |
今回は、上位3銘柄ともに僅差で利回りが5.5%超となりました。
J-REIT全体でもそうですが、どの投資法人も投資口価格が下落基調で推移しており、なかなか上昇のきっかけがつかめない状況です。
ただ今後は、大きなイベントとして米国の大統領選挙が控えており、それをきっかけに流れが変わる可能性もあります。
そして、投資口価格が低迷している分、分配金利回りは高くなっています。
個別では、
「平和不動産リート」は、分配金利回りが高くなおかつ連続増配を継続していますので、今後投資口価格が上昇してくればキャピタルゲインとインカムゲインの両方を享受できそうです。
「ユナイテッド・アーバン」も連続増配を継続している点が魅力で、流動性が高いところもいいですね。
「アクティビア・プロパティーズ」は、分売金利回りが僅差で3位となりました。
ただ、1口当たりの投資口価格が高い点は難点です。
今回ご紹介していない11月権利のJ-REITの中では、アクティビア・プロパティーズの次に利回りが高い日本ホテル&レジデンシャル(3472)は利回り5.41%(10/29時点)、阪急阪神リート(8977) 5.11%と5%超となっていますので、こちらも検討してみても良いかもしれませんね。
2024年11月の権利付き最終日は27日(水)(権利落ち日:11/28)です。
参考になればうれしいです✨
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。