不動産経営に興味があっても、「どうやって始めればいいのか」「本当に儲かるのか」「リスクはどのくらいあるのか」など、疑問や不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
特に、初めて不動産投資を考える方にとっては、正しい知識がなければ思わぬ失敗を招く可能性もあります。
本記事では、不動産経営を始める前に知っておきたい基本的な知識から、メリットやリスク、さらに副業として成功させるためのポイントまでを詳しく解説します。これから不動産経営をスタートしようと考えている方に向けて、役立つ情報をわかりやすくお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。
不動産投資に興味がある方は、「不動産投資とは?将来の安心のために不動産投資で資産形成戦略を学ぶ」も併せてご参照ください。
不動産投資のバイブル
- 不動産投資に興味があるけど何から始めていいか分からない…
- 営業マンのいうことを鵜呑みにして失敗したくない…
- しっかりと基礎から学び、できる限りリスクを避けたい…
- 今は不動産投資の始めどきなのか?
- 安定収益を得るための不動産投資物件の選び方
- 不動産投資の失敗例から学ぼう
1、不動産経営の概要
(1)不動産経営とは
不動産経営とは、マンションやアパートなどの不動産を購入し、第三者に賃貸して家賃収入を受け取ることで、利益を得る事業のことです。
不動産経営の収入は、
- インカムゲイン(資産を保有していることで得られる利益)
- キャピタルゲイン(資産を売却することで得られる利益)
の2つになります。
不動産経営でインカムゲインになるのが家賃収入で、不動産経営の柱になります。
キャピタルゲインは不動産を安く買って高く売ることによる利益です。
(2)不動産経営の種類について解説
不動産経営は、物件の種類によって大きく4つに分けられます。
- 一棟マンション
- 一棟アパート
- 区分マンション
- 一戸建て
①一棟マンション
一般的に、鉄筋または鉄骨鉄筋コンクリートで建てられており、部屋数が多い物件です。建物をまるごと購入するため、初期投資が高額になります。
部屋数が多いため、収益性が高く、空室が出ても収入が0になることはほとんどないでしょう。
②一棟アパート
一般的に、鉄骨または木造で建てられた、低層の物件です。初期投資は高額ですが、一棟マンションに比べると価格は抑えられます。
物件次第ではコストパフォーマンスの高い不動産経営ができるでしょう。
③区分マンション
マンションの中にある部屋単位で物件を所有して、貸し出します。1部屋の購入になるので、初期費用が抑えられ、初心者に適していると言えるでしょう。
一棟物件に比べると収益性は低くなり、入居者がいない間は収入が0になる可能性があります。
売却時に買い手が見つかりやすいというメリットがあります。
④一戸建て
一戸建てを所有して、貸し出します。需要は少ないですが、入居者がファミリーであることが多いため、比較的長く入居するケースが多いでしょう。
中古の一戸建てを購入し、リフォームして貸し出すといった経営パターンが多くあります。
物件の種類の他にも、オーナーが主体となって管理をするか、サブリース契約をして管理を委託するかによっても経営の形は大きく変わります。
物件の管理については、「不動産投資の管理委託手数料|毎月かかるコストの相場はいくらなのか」で詳しく解説しています。ぜひ併せてご参照ください。
2、不動産経営のメリットとは?
(1)不動産経営は儲かる?不動産経営の利回り
不動産経営を検討される際に、運用実績の一つの目安となる「利回り」について気にされている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
不動産のポータルサイトには、利回り「10%」以上の物件も数多く掲載されていて、不動産経営は高利回りな投資商品だと思われている方も少なくないでしょう。
しかし、現実ではそう簡単ではありません。
東京都心部の収益物件の表面利回りの相場は以下のようになっています。
- 住居系 5〜6%
- 事務所系 6〜7%
- テナント系 7〜8%
なお、利回りの計算方法などについて詳しくは「不動産投資の利回りとは|不動産市況の推移についても解説」を参考にしてみて下さい。
(2)不動産経営ならではのメリット
上記の通り、不動産経営で高利回りの資産運用をするのは簡単ではありません。
それでも不動産経営はオススメです。不動産経営ならではのメリットとはなんでしょう。
具体的には、以下のようなメリットが挙げられます。
- 「不動産」という実物資産が残る
- 不動産の評価が低いため、相続・贈与税対策として有効である
- 融資を利用することができることから、少額の自己資金から始められる
- 団体信用生命保険に加入することによって、万が一に備え生命保険のかわりになる
- 安定した家賃収入により私的年金の確保ができる
詳しい内容については、「投資不動産を購入して成功する方法と失敗しないためのポイント4つ」を参考にしてみて下さい。
3、不動産経営のリスクは?
一方、不動産経営で失敗しないためにはリスクもきちんと知っておきたいところです。
不動産経営のリスクは、場面によって大きく3つに分けられます。
- 投資用不動産購入時
- 不動産所有時
- 不動産売却時
(1)投資用不動産購入時
購入時のリスクとして、
- 費用リスク
- 欠陥・瑕疵物件購入リスク
があげられます。
(2)不動産所有時
所有時のリスクとして、
- 空室リスク
- 家賃滞納リスク
- 家賃下落リスク
- 金利上昇リスク
- 費用リスク
- 火災・天災リスク
- 賃貸管理会社倒産リスク
- 事故物件リスク
- 借金リスク
があげられます。
(3)不動産売却時
売却時のリスクとして、
- 費用リスク
- 流動性リスク
があげられます。
不動産経営にはこんなにもリスクがあるのかと驚かれたかもしれませんが、回避策をおさえてしっかり対策することによって、避けることができます。
「不動産投資の危険な落とし穴!リスクを避けるための10のヒント」の記事でさらに詳しく解説していますので、ぜひ併せてご参照ください。
4、不動産経営を成功させるために必要なこと
ここまで読んでいたただいた方には、不動産経営ならではのメリットがあるのと同時に、リスクもあることを分かって頂けたのではないでしょうか。
不動産経営で失敗しないためには、リスクを最小限におさえることが大切と言えます。
そのため、不動産経営を始める前にやっておくべきことをおさえておきましょう。
- 不動産投資をする目的や目標を決める
- 不動産経営の基礎的な知識を増やす
- セミナーに参加して不動産経営の最新情報を収集する
- 気になる物件を見学し見る目を鍛える
(1)不動産投資をする目的や目標を決める
まず、ご自身が不動産投資をする目的を明確にしておきましょう。なぜ不動産投資をしたいのか、よく考えます。
目的や目標は、
- 長期的な不動産投資で資産形成をしたい
- 定年を迎えるまでに家賃収入を〇〇万円得たい
- 相続税の節税をしたい
など、できるだけ具体的なイメージを持っておきましょう。
(2)不動産経営の基礎的な知識を増やす
不動産経営とは、どのような事業なのか知識を増やしていきましょう。
本やネットを読むと、不動産投資について体系的に学ぶことができます。
また、実際に不動産経営をされている方のブログを読むことで、リアルな不動産投資を知ることができるでしょう。
(3)セミナーに参加して不動産経営の最新情報を収集する
不動産投資の基礎を身につけたら、セミナーに参加してみましょう。
現在は、オンラインでのセミナーも多く開催されており、初心者でも気軽に参加できます。
不動産投資に実際関わっている人からの話は、本やネットでは見つけづらい、最新の情報を得られることもあります。
「不動産投資の教科書」がおすすめする、初心者向けの無料セミナーを紹介します。
お客様満足度の高い「プロパティエージェント」のセミナー
プロパティエージェントは東証プライム上場グループ企業で、新築・中古どちらの区分マンションも取り扱いがある、投資向けマンションディベロッパーです。
プロパティエージェントのセミナーは、約6割の方が、初めて「不動産投資」のセミナーに参加されたという方ですので、初心者でも安心して参加できます。
他にも、不動産投資の教科書ではおすすめのセミナーを随時更新しています。
(4)気になる物件を見学し見る目を鍛える
不動産投資の知識が身につき、投資対象が定まってきたら、実際に物件を見に行ってみましょう。
周辺の環境など、現地を見ることでしか得られない情報を、つかむことができます。
物件を直接見に行くことで「自分なりの判断基準」ができあがってきて、より具体的な不動産経営のビジョンが描けるのです。
5、不動産経営の始め方とプラン
最後に、実際に不動産経営を始める場合の流れをみてみましょう。
大きく以下の流れになります。
- 投資の目的や目標を決め、不動産経営の基礎知識を勉強する
- 購入する投資不動産の予算を決める
- 信頼できる不動産投資会社を選ぶ
- 興味がある物件の現地確認をする
- 買付書を提出する(融資を受ける場合のみ融資の仮審査を受ける)
- 重要事項の説明を受ける
- 売買契約書を締結する(手付金を支払う)
- (仮審査がOKな場合)不動産投資ローンの本審査を受ける
- 決済・物件の引渡しを行う
- 賃貸管理会社を選び不動産経営を始める
「投資不動産を購入すべき理由と儲からないケース」では、項目ごとに詳しく解説しています。併せて参考にしてみて下さい。
6、不動産経営を副業にする時のポイント
金融緩和により、サラリーマンの方でも有利な条件で融資が受けられるようになったので、不動産経営を始める方が増えています。
本業で忙しいサラリーマンが不動産経営をするには、以下の点をおさえておくことが重要と言えるでしょう。
- サラリーマンに適した物件を選ぶ
- 管理会社に管理を丸投げしない
- 実質利回りをきちんと確認する
- いい物件を探すのは大変
- 不動産所得により確定申告する必要がある
サラリーマンが不動産経営で知っておくべき内容について詳しくは、「サラリーマンが不動産投資をする際に知っておきたい9つのこと」を参考にしてみてください。
なお、サラリーマンにて不動産所得がある場合、確定申告が必要となるケースがあります。
確定申告の手続きや必要な書類など、詳しくは「【税理士が教える】サラリーマンでも確定申告で還付が受けられる6つのケース」を参考にしてみて下さい。
不動産経営のメリットとデメリットQ&A
Q1: 不動産経営の主なメリットは何ですか?
1. 安定した収入源
賃貸物件を持っていれば、定期的な家賃収入を得ることができます。特に需要が高いエリアの物件であれば、収入が安定しやすいです。
2. 資産価値の増加
長期的に不動産の価値が上がるケースも多く、資産としての価値を保つことができます。物件のリノベーションやエリアの発展によって価値が向上することもあります。
3. 税制優遇
不動産経営には、減価償却や経費として控除できる項目が多いため、節税効果が期待できます。住宅ローンの利息や管理費も経費に計上できます。
4. インフレに強い
不動産はインフレに強い資産とされ、物価が上がっても家賃や資産価値がそれに応じて上昇することが多いです。
Q: 不動産経営のデメリットは何ですか?
1. 初期投資が高い
物件の購入には多額の資金が必要です。特に立地の良い物件や収益性の高い物件は、購入費用や手数料、税金がかかります。
2. 維持管理コスト
不動産を所有していると、修繕や管理費用が定期的に発生します。物件の老朽化による修繕費や空室リスクに備える必要があります。
3. 市場リスク
不動産価格や賃貸需要は景気や地域の状況に左右されるため、市場の変動によって資産価値が下がるリスクがあります。特に、地方や過疎化が進むエリアでは賃貸需要が減少する可能性があります。
4. 空室リスク
賃貸物件が空室になると、家賃収入が途絶えます。入居者を確保できない場合、ローンの支払いに影響が出ることもあります。
Q3: 不動産経営を成功させるためのポイントは何ですか?
1. 立地の選定
需要が安定しているエリアの物件を選ぶことが重要です。交通の便が良く、生活環境が整っている場所は賃貸需要が高い傾向にあります。
2. 適切な物件管理
定期的なメンテナンスや修繕を怠らず、物件の価値を保つことが大切です。管理会社を利用することで、トラブル対応や空室管理を効率的に行うことができます。
3. リスク分散
複数の物件を所有することで、空室リスクや市場リスクを分散させることができます。複数の地域や物件タイプを組み合わせるのも有効です。
不動産経営にはメリットとデメリットの両方があるため、リスクとリターンをよく理解し、計画的に取り組むことが重要です。
まとめ
今回は、不動産経営について説明してきましたがいかがでしたでしょうか。
不動産経営は、一般的に思われているほど高利回りの投資商品ではありません。
それでも不動産経営ならではのメリットがあります。また、もちろんリスクもあります。
不動産経営を成功させるには、事前にリスクをきちんと認識した上で、最小限におさえることが重要になるのです。
不動産経営を成功させるためにこの記事がご参考になれば幸いです。